「漢検親子」はもう出ない? 公益法人改革の「実力」

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   背任の疑いで京都地検に逮捕された財団法人『日本漢字能力検定協会』の前幹部大久保親子。接見した弁護士によると、「協会に損害は与えていない」と、容疑を否認しているという。

   番組は、協会の形骸化したチェック体制、指導監督する立場の文科省が再三立ち入り検査をしたにもかかわらずチェックできなかった実態を取り上げた。

文科省は何を?

「(背任の認識?)全くありません。今も漢検の利益を脅かす様な行動だったとは私自身思っていません。公益法人って何なのかということですけど、なかなか答えは出ません......」

   協会の実務一切を掌握していた長男の浩前副理事長は悪びれる様子もなく、逮捕直前に番組のインタビューでこう答えていた。

   それにしても、国の指導監督下にある公益法人が、トップを大久保親子で占めていたとはいえ、運営を牛耳れるものなのか?

   協会の理事会には、大久保親子の他に8人の理事がいた。明石康・元国連事務次長などいずれも著名人だ。

   ただし、年2回、ホテルの会議室で行われる理事会に常に出席していたのは大久保親子2人のほかは唯一、京大工学部の坂井利之名誉教授だけ。他は委任状の提出を求め数合わせしていた。

   その坂井教授は「詳しい説明がないまま決算書や予算書の承認が求められた。数億余っているなとは思っていたが、会計の専門家でもないので儲け過ぎという感覚はなかった」という。

   これではチェック機能が働くわけがない。では、文科省はどうか?

   国谷キャスターは「文科省は立ち入り調査しているのに、取引している相手の会社のトップと協会の理事長や副理事長が同じ。第3者の目で利益相反がチェックできたはずですが......」と。

   指導監督に当たる生涯学習推進課が毎年、協会から提出される決算報告書をチェックし、定期的に立ち入り検査を行ってきた。

   しかし、ここでも踏み込んだ調査は行われなかった。生涯学習政策局の清水潔局長は甘かったチェック機能について次のように語った。

「公益法人は善意によって社会事業、教育事業をしているのが大多数ですから、私物化はないだろうという意識があったのかもしれない」

これからは監査法人が入る

   公益法人改革に取り組んだことのある堀田力弁護士は番組に出演しこう述べた。

「提出された書類を見れば、おかしいとすぐわかる。性善説はいいでしょ。性善なところが多いから。でも性悪もあるわけで、これは悪らしいと分かれば徹底的にチェックする。それが行われていなかった」

   公益法人改革が行われ2008年12月に公益法人制度改革3法が施行され、新制度に移行している。現在2万5000ある公益法人に大久保親子のような私腹を肥やす法人はないのだろうか。

   堀田弁護士は「これからは大丈夫ですよ。監査法人による監査も入るしグッと変わると思います」と太鼓判を押すのだが......

モンブラン

   * NHKクローズアップ現代(2009年5月20日)

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