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元高見山の涙とケチャップの味 「定年」でお別れ

   <テレビウォッチ>大相撲夏場所・千秋楽(5月24日)。モンゴル出身の大関・日馬富士(25)が初優勝した。

見てましたよ

   日本人力士が優勝したのは何時だったか忘れてしまうほどだが、外国人力士の優勝はハワイ出身の元高見山(東関親方)から数えて日馬富士が8人目という。

   その外国人力士の先駆者、東関親方が昨日の千秋楽で本場所務めを終え、45年の相撲人生に別れを告げた。

   番組は、司会のみのが「東関親方、悔し涙を流したときに『悔し涙は目の汗だ』。辛抱と努力の素晴らしい相撲人生でした」と、たたえた。

   東関親方が相撲人生をスタートしたのは19歳の時。「一番つらかったのは1年目。訳が分からないことだらけ。けいこの辛さとか......」そんな元高見山を部屋で見続けてきた友人はこういう。

   「けいこが終われば、親方から『しこ踏め』、『すり足しろ』といわれ、入門して当初はまだ体も細かったし言葉も分からず涙を流しながら努力していた。ちゃんこが食べられず、ケチャップで味をつけて食べた」

   そんな辛抱と努力で番付が上がるとともに人気も上がった。なかでも大一番は、1980年9月場所の大関・貴ノ花との一戦。

   1度は貴ノ花に軍配が上がるが物言がつき、協議の結果行司差し違いで高見山の勝ち。貴ノ花のマゲが先に土俵についたと判断されたのだ。

   みのが「あの1戦見てましたよ。マゲがついた、つかないというより、高見山が手をつかなかった。手をつかないということは顔から土俵につく。彼の根性が分かりましたよ」と。

   幕内通算成績は683勝750敗22休、優勝1回、最高位は関脇。しかし、40歳直前まで土俵に立ち、幕内在位は97場所、歴代1位はまだ破られていない。

   高見山が活躍した時代、あの頃の相撲は面白かった。