前理事長の「逮捕前映像」にみる TV記者に欠けている技術と進歩

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「ニュース番組やワイドショーのリポーターについて」(各局) 2009年5月19日

   この日、財団法人・日本漢字能力検定協会の前理事長、大久保昇が息子と共に京都地検に任意同行された。同行から逮捕に至るまでの間に夥しく流された映像は、大久保氏を追いかけるリポーターたちの姿であった。あたかも「我々は地検が動くより早く、このように取材していたのだよ」と言わんばかりで、彼らは恐らく自分たちを、悪を懲らしめる正義の味方だと思っていたに違いない。
   玄関の鍵を開けて自宅に逃げ込むまで執拗に追いかけるカメラ前のリポーター曰く。「メディアボックスはペーパーカンパニーだといわれていますがそうなんですか?」。当然、大久保氏は否定する。このリポーターは、大久保容疑者が彼を振り返ってにっこり笑い、「はい、そうですよその通り。メディアボックスはペーパーカンパニーですよ」と答えるとでも思っているのか。こういうのをバカ丸出し記者というのである。他にもっとマシな追及の仕方があるだろうに。
   これはほんの1例に過ぎない。今や古典的な事件になったロス疑惑で、リポーターが「三浦さん、○○なんですか」と問うと、亡き三浦さんはきまって「弁護士に聞いてください」と答えた。このやり取りは子供たちの間で流行り物になり、ある中学では、「弁護士に聞いてください」が定番答弁になった。以来、リポーターたちの話術は進歩していないのである。そろそろテレビ記者も、調査報道と共に話術も磨き、新聞を出し抜く技術と根性を身につけなくちゃ。

(黄蘭)

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