米政府が自動車生産?? GM「着地点」先の先

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   車は売れずに巨大債務を抱えて、はたん寸前のゼネラル・モーターズ。あまりの影響の大きさゆえに、そこらの中小企業のようにどうぞ自己責任で潰れてください、とはならず、オバマ大統領はガイトナー財務長官、サマーズ大統領顧問の政権中枢を中心としたタスクフォース「自動車問題委員会」を結成して、彼らに再建策を主導させてきた。しかし、さんざん報じられているが、GMの債務棒引き交渉は難航中だ。今回の放送「どうなるGM~オバマの『再建』戦略~」はそんなGMをめぐる最新状況を取り上げていた。

   交渉のなかで、労働組合は意外にも(!?)OKを出したという。GMでは退職者への医療手当などが手厚く、これが財務を圧迫していた。これまでGMに対決姿勢だったUAW(全米自動車労働組合)もそろそろ潮時と見たのか、協調路線に一大転換。GMは200億ドルの医療費負担を半分の100億ドルにしてもらうかわりに、39%の株を渡す(放送後、率が変更されて、少なくなったらしい)ことで合意したという。

組合に手厚く「異例の手法」

   その一方で、社債などを持つ債権者には厳しい内容に。債権はほとんど棒引きで、もらえる株は10%――。本来は外部の無謬な債権者が最優先されるはずが、組合のほうにより手厚いという「異例の手法」(NHK記者)を取った。

   当然のように債権者から不満続出。「自動車問題委員会のやり方には不満を感じる。(組合と)公平に扱ってほしい。このままでは全財産を失うことになる」とか、「政府が組合をひいきして債権者を軽視すると、この国には誰も投資しなくなる」とか。

   債権者からの合意はいっこうに得られずに交渉期限の6月1日を迎える可能性が濃厚で、GMの破産申請回避は困難な見通しとなった。

   もっとも政権も、こうした事態はある程度織り込み済み。消費者や部品メーカーなどにできるだけ影響が出ないように、補償などをシミュレーションしている。関係者の注目はすでに「良い破綻か、悪い破綻か」という点に移っているが、「(GMの)裾野が広すぎて、これからどうなるか読み切れない面がある」とスタジオゲストの吉崎達彦・双日総合研究所主任エコノミスト。

   破綻後は、政府が大規模に資金を注入して、ゼネラル・モーターズならぬ「ガバメンタル・モーターズ」になると予想されるが、「企業再建は財務改善だけではダメ。本業で儲けが出せないと。GMなら売れる車を作ること。政府(の管理下)ではそれはむずかしいのではないか」(吉崎)。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2009年5月26日放送)

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