「ダメだったら違う手を」 農業に燃える男の流儀

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   <テレビウォッチ>『農業』に『ビジネス』という言葉が付いても違和感を感じなくなって、もうずいぶん経つ。『産地直送』、『完全無農薬』、『トレーサビリティ』……。新しい概念を持ち込み、野菜に付加価値をプラスする。消費者の信頼を得、その上野菜の販売価格も上昇する。いまや農業従事者は野菜を作るだけが仕事ではない。販売経路までも考え、自ら野菜をプロデュースしていくことが今の農家の仕事なのだ。

   今回のプロフェッショナルは、農業にビジネスを持ち込んだ第一人者・木内博一。30代前後の地域の若手とともに会社を作り、直営のスーパーを展開するなど様々な事業を起こしてきた。その事業の利益をもとにチームの農家から通常よりも高い相場で野菜を買い取る。彼らの売り上げ金額は、全国平均の2倍以上にもなる。農家の士気は上がり、新しい品種の栽培などにも力が入る。

   彼の仕事の流儀は「じっくり考えない」ということ。行動に移すまでの時間が早い。彼のもとには新しい事業の可能性を求めて様々な人が来る。番組中に彼のもとを訪れたのは、ネットで野菜の通販を行う「オイシックス」社長。働くお母さんのための商品を作りたいといい、木内のアイデアを仰いだ。すぐに味噌汁用の野菜のセットを考案。手当たり次第に農家に電話をかけ始めた。

「やってだめだったらさ、また違う手を考えればいいんで、必ず何か見つかると思うよ」

   木内のパワーは画面を通してでも十分に伝わってくる。農業に対する情熱、誇り、夢を彼から感じた。木内を見ていて感じるのは、どんな業種にも可能性が詰まっているということ。たとえマイナーな産業でも、たとえライバルの多い産業でも、センスと情熱さえ人よりも勝っていれば、可能性はまだまだあるのではないか。木内の描いた農業の可能性は、これから様々な社会に出ていく人間にとっての希望の光だ。

がくちゃん

   *NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2009年6月2日放送)

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