2018年 7月 24日 (火)

電気自動車時代は目の前? その明るい未来と暗い予想

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   <テレビウォッチ>今年は「電気自動車元年」なのだそうだ。三菱自動車が今(6)月5日、初の量産に入ると発表。富士重工業も来月発売予定で、日産自動車も開発の最終段階にある。これによって何が変わるのか。

   ハイブリッド車はまだエンジンがあり、ガソリンが必要だ。対して、電気自動車は石油燃料ゼロ、CO2ゼロ、騒音がない、構造も簡単だから、異業種参入ができる。さらに、自動車自体が電源にもなる……究極のエコカーである。

家電量販店で販売計画

   ネックは値段だ。三菱のモデルでも小型4人乗りなのに459万円。国の補助金を使っても320万円もする。三菱はいま、京都市との連携を進めている。ねらいは観光客向けのレンタカーだ。エコは京都のイメージアップにもなると、充電設備などインフラ整備にまでタッチする。

   実は、電気自動車はすでに走っていた。金沢の輸入品ブティックでは、店内にイタリアデザインの電気自動車が、売り物として置いてあった。が、車を作ったのは、東京・八王子のベンチャー企業だ。

   工場はビルの地下駐車場だ。ここで、イタリアデザインのボディーに、台湾製のメーター類、中国製の電池などを載せる。2人乗りで260万円、補助金を使って183万円。

   高岡祥郎社長は、もと大手自動車会社で開発担当。「部品の数はガソリン車の10分の1。3000点あるかないかだから、小人数でも作れる」という。いま、家電量販店で売ろうと計画している。自動車の常識ががらりと変わる。

   アメリカのベンチャー企業は、電池をカセットのようにそっくり入れ替えるアイデアを形にした。使用料で稼ごうというのだ。東京の6万台のタクシーを狙って、先に日本交通で行ったデモでは、わずか1分で電池を入れ替えてみせて、関係者を驚かした。

   電気自動車の値段の半分は電池の値段だ。「政府のサポートがあれば、このアイデアは成功するだろう」と、このアメリカ人はいう。なるほど。

沖縄、レンタカーすべてを…

   村沢義久・東大大学院教授は、「造りが簡単だから、アメリカもビッグ3からスモール100にシフトするだろう」「車の使い方も変わる。リビングとガレージが一体化して、車が音楽を聴いたり仕事をしたりする個室に変わるかも」という。

   自動車産業はどうなるか。「1社で1000万台を売る時代は終わる。しかし、技術では依然世界一だから、(自社生産のほかに)シャシー、足回りだけでも売れる。技術でリードを保っているうちに迅速に動く必要がある」と同教授。

   エコのエコたるゆえんは、脱石油だ。電気をソーラー、風力に求めれば、究極のエコカーになる。沖縄経済界が東大との協力でいま、「グリーンニューディール沖縄」というプロジェクトに取り組んでいる。

   県内2万5000台のレンタカーをすべて電気に変えようというのだ。南北110キロしかないのも、電気自動車に適している。風力発電を増やして電力をまかなうだけでなく、これを車に蓄電して、地域に電力を供給しようというSF的プロジェクトだ。

   「グリーンニューディール」はオバマ政権下で進められているコンセプト。規模の小さな沖縄でなら、いち早くモデル化できるかも知れないという予感はある。確かにバラ色の未来像だ。

   だが、革命には陰の部分がある。車からエンジンとトランスミッションがなくなると、部品の9割がなくなる。中小部品メーカーの将来は暗い。それとも自らスモール100になれるだろうか……。 

ヤンヤン

   *NHKクローズアップ現代(2009年6月8日放送)

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