逆立ちしても日本では無理 秀作探偵ドラマの底力

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「名探偵モンク6」(NHK BS2) 2009年6月15日 20時~

   こういったドラマは日本では逆立ちしても作れない。主人公が容姿も性格も冴えない中年男で、妻を亡くしてから神経過敏の度合いがより酷くなり、名前の通り(!)年中文句ばっかりブツブツ言っていて、だが、どこかおかしくて、且つ、物凄く知的な大人。スーパーマンでもカッコいいイケメンでもない。つまり、俳優の外見で視聴者に媚びるのでなく、ドラマ自体の底力で惹きつける。
   何がおかしいといって彼のこだわり。数字はきっかり100などのラウンドナンバーでないと気に入らず、左右非対称は気持ちが悪い。飛び石を歩く時にも足の運びにルールがあり、外の物は不潔だからと手も触れない。今回の『ふんだり、けったり』は読んで字の如く、モンク自身が犯人に接近した時に、ピストルで撃たれて大怪我する話だが、最初に左の太腿を撃たれ、終わりの方で、また今度は右足を撃たれる。その時の反応が抱腹絶倒だ。何故なら、やっと片方だけの非対称が無くなったから! 主題曲もレトロで垢抜けている。
   遺伝子操作で早期発芽トウモロコシの開発をしている研究所の、所長の自転車が盗まれる場面に遭遇したモンク(シャルーブ)と秘書のナタリー(ハワード)が、機密窃盗事件に巻き込まれて、見事に解決する話。洒脱とはこのドラマのためにあるような言葉で、毎回、大した大事件でもなさそうな滑り出しなのに、非常によく練られた脚本で、人間の機微までさりげなく味わえる。秀作である。

(黄蘭)

採点:2.5
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