松本サリン事件とマスコミ ダメージ「犯人以上」

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   <テレビウォッチ> 7人が死亡し300人以上が重軽傷を負ったオウム真理教による松本サリン事件(1994年6月27日)。早いもので、明日27日でちょうど15年になる。

気の毒でならない

   笠井アナが、この事件の加害者の1人と現在、交流する被害者の河野義行さん(59)の近況を取り上げた。

   「愛する人の命を奪った加害者が刑期を終え、出所して目の前に現れたら貴方ならどうしますか」と……

   一時は警察やマスコミから容疑者扱いされた河野さん。その後身の潔白が証明されたが、闘いは終わらなかった。サリンによって妻、澄子さんが脳に重い障害を受けて入院生活、介護の日々が待っていた。

   そんな河野さんの所へ2006年、1人の男が訪ねてくる。

   松本サリン事件の加害者の1人として、殺人ほう助罪で懲役10年の判決を受け服役、06年出所した元オウム真理教幹部の藤永孝三(48)だ。

   「お詫びして済むわけではないけど、それができないと先に進まない気持ちがあったので……自分本位ですよね」

   しかし、それがきっかけで河野さんはこの加害者を自宅に招くようになり、交流が始まる。藤永の自宅は山口県。1、2か月に1度、高速バスを乗り継ぎ12時間かけて河野家にやってくる。

   一緒に釣りをしたり温泉に入ったり。寝る場所は河野家、それも奥さんが生前使っていたベッド。

   澄子さんは08年8月5日に亡くなった。享年60歳。河野さんは藤永に、生前、入院している妻の見舞いを許している。

   刑務所で剪定の技術を身につけた藤永に河野さんは庭木の手入れも頼んだ。この庭は、サリンが撒かれたと報じられ、疑いがかかった因縁のある場所だ。

   そんな父の行動に違和感を感じるというのは長男(30)。「庭は事件で亡くなった方の思いが堆積していると思う。そこに、あえて(加害者が)入ってくる必要性はないんじゃないか。そっとしておいてほしい」。

   長男の気持ちは痛いほどわかる。では、なぜ加害者と交流を? こんな問いに河野さんはキッパリ言い切った。

   「うちにとって加害者は誰なのか。もちろんサリンを撒いた人もそうでしょうけど。同じかそれ以上にダメージを受けたのはマスコミであり警察であるわけです。その人たちはずっと前から受け入れている。

   恨んだり憎んだりしていないんですよ。自分の人生をつまらなくしたくないから……それに、なによりも藤永君がとてもいい青年だから交際が続いている」

   キャスターの小倉は「とても素敵で温厚な方なのに、何故サリンの犯人と見られてしまったのか、考えるととても気の毒でならない」というが……

   河野さんの口から出た言葉は、マスコミに籍を置く者にはグサッと胸に突き刺さる。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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