2024年 4月 25日 (木)

辻井伸行「ドイツ公演」出来映え ピアノ音色に観客が顔色変えた

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   <テレビウォッチ>バン・クライバーン国際ピアノ・コンクール優勝後、社会現象ともなったピアニスト辻井伸行をスタジオに招いた。スタジオ・コンサートのオープニングは、ショパンの「練習曲作品10第4」。ショパンは、最も得意とするところだという。きれいな手が鍵盤に躍る。

左手と右手のコンビネーション

   『辻井ピアノ』の世界を探る番組は、まず「飾り気のない素直な演奏」を魅力にあげる。コンクールで審査員を務めたボストン在住の音楽評論家は、テクニックに頼る演奏家が多い中、新鮮さを感じたとし、「左手で安定した音を出しながら、右手では歌うような演奏ができる。世界でも数少ないピアニストだ」と称える。

   「左手と右手の絶妙なコンビネーション」も魅力の1つだと、番組は伝える。辻井が6才のときから12年間、指導した川上昌裕・東京音楽大学講師は、彼のために左手用、右手用、別々に曲をテープに吹き込み、その数は100曲以上に及ぶという。「右手の重要さ、左手の重要さ、それぞれ分けてインプットし、それが今につながって、自然体で心地よい表現、彼らしさが大きく出てきたとのかなと思う」と恩師は述べる。

   また、「身体全体でうみ出す美しい音色」が魅力と見るのは、作曲家でピアニストの加古隆。鍵盤を叩いたあと絶妙のタイミングで力を抜いて弱い音を響かせている、と言う加古は「美しい音、響きはそれだけで人の心を振るわせる」と語る。

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