2024年 4月 24日 (水)

「暇」が怖い… 何かに負けてる気がして

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   <テレビウォッチ> 私にとっての虚無とは暇である。暇とどう向き合ったらいいのか分からない。

   周囲から忙しい人間だと思われているところがあるのだが、実は暇をつぶしたくてしょうがないだけ。

   「ものすんごいヒマ~」と真実を伝えると、なんだか自分がとっても退屈な人間なんじゃないかと思われそうで、怖くて言えない。そして、暇だと言っている自分がカッコわるくて嫌になる。確かに、できれば1日中パジャマで過ごしたいと思う日もある。だが、何かに負けている気がしてしかたない。

「ヒマから自分ネタへ」パターンも

   昼過ぎに起き、1日の半分をムダにした日は、罪悪感の塊。寝過ぎて逆にだるくてさらにやる気が起きないことが、ブルーな気分をより一層加速させる。ダメ人間なんじゃないか? 怠惰な1日を過ごす罪悪感、自己嫌悪満載の1日となる。

   そのため、なんとか暇にならないように、あれこれ用事を作ろうと躍起になってしまうのだ。スケジュール帳も空白の1日があると嫌なので、『To Do LIST』を作っては時間を埋めようとする。無意味に17時~19時まで線で結び、『買い物@渋谷』などと、どうでもいいことまで書きこんでしまう。

   ところで、最近その暇を取り巻く環境が変わってきたような気がする。

   かつては「最近、調子はどう?」と人に尋ねられれば、「おかげさまで、忙しくさせていただいております。」と答えなさいと、先輩には教えられてきた。

   「貧乏ヒマなしです!」と言った方が相手側に好感をもたれ、究極は「いや~、寝る暇ないですよ。3日徹夜とか普通です!」と、睡眠時間がいかに足りないか自慢しあえと。まるであいさつのようにそこかしこで聞いた会話だった。

   だが、ここのところ「最近、調子はどう?」と問われれば「いや~、ヒマでヒマで」と言う人が増えてきている。もちろん、続きがあり「ヒマなんで時間あれば自転車に乗ってるんですよ。で、その自転車にハマっちゃって。これが最近の自転車はスゴイことになってるの、ご存じですか?……」

   と、暇から自分のネタに持っていくパターンの会話が多く聞かれる。

   仕事とプライベートが表裏一体の仕事だからこそ、暇な時間に趣味の幅を広げて仕事につなげるのだ。当然、プロになる気はゼロ。ポイントはいかに人と違う趣味を広く、そしてある程度深く知っているかだ。

   でも、これってやっぱり暇を潰すことに一生懸命になっているんじゃないの? 子供が暗闇に恐怖心を抱くように、大人は暇と言う恐怖に怯えているように思えてくるのだ。

   かつて、「何もしないという贅沢」というコピーがあった。

   しかし果たして人間は、何もしないことなど出来るのだろうか? リゾート地に行っても、『何もしない贅沢』を最大限感じ取れるようにと演出方法や場所選びなどに躍起になって、全てが整った頃には時間となり、現実に引き戻される。そんな休日を過ごしてしまうのではないだろうか?

   いつの日か、 『暇と向きあうことが出来る』そんな大人になってみたいものだ。

モジョっこ

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