「裸騒動」脱ぎ捨てろ 草なぎ新境地に注目

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   <任侠ヘルパー>草なぎくんがドラマに帰ってきた。酔っぱらって裸になっただけで、あんなに大騒ぎしたのがウソみたい。CMや地デジのキャラクターにも、何事もなかったように出てるし。だけど今度のドラマでは、今までの「純粋ないい人」路線とは微妙に違っている感じ。やはり、あの事件が影響しているのか。でも草なぎくんは演技力があるから、これを機にさらに幅が広がるかもしれない。

ほんとうの主役は老人たち?

   話は極道ものだが、いま大きな問題である老人介護と結びつけたところがなかなかだ。隼会・翼興業組長、翼彦一(草なぎ剛)は、本当は「命を張って弱きを助け、強気をくじく」任侠道に生きたいと思っている。だが現実は、組員に振り込め詐欺をやらせてシノぐセコイ毎日。このへんのギャップに、もう少し笑わせどころ、あるいは悩みの見せどころがあってもいいのでは? 

   隼会の若頭・鷹山(松平健)に呼びつけられたのは、彦一を含む隼会傘下の組長ら6人。女組長、黒木メイサの黒背広姿が、わりといい。ほかの女優にはない鋭い目を生かし、けっこうこわい女組長になっている。

   集められた極道たちは、「研修」として老人介護施設「タイヨウ」でヘルパーとして働くよう命じられる。勝手が違う介護現場にとまどうが、気を取り直し、よーし、ここで手柄を立て、若頭になるぞ、と競争することに。拒否する頑固ジイサン(津川雅彦)に誰がオムツをはかせられるか、とか。津川雅彦も失禁老人の役とは! やるよねー! 好きだなあ、そういうとこ。

   3話まで見て思ったのは、ほんとうの主演は老人たちではないかということ。1話に池内淳子、2話に津川雅彦と、大物俳優が軸になる老人を演じていることもさることながら、その他おおぜいの老人たちがじつに自然で、本物の施設なのでは? と思ってしまうほど。3話で孫に虐待される老女を演じた森康子は、前2話と違って元スターではないが、それだけにみじめさが切々と伝わってきた。

   設定の奇抜さにかかわらず、扱っているテーマは深刻である。大筋に介護施設経営の厳しさ、合理化路線とのあつれきを据え、各回に振り込め詐欺、老人のプライド、家族による虐待……と、難しい問題を取り上げている。きれいごとになっていないのがよい。

   だが、シノギに困ったヤクザが老人介護を成長産業とみて参入してくるのはありそうなこと。いわゆる貧困ビジネスには大いに進出しているのだから、ひょっとして現実の方が先を行っているかもしれない。

   ともあれ、草なぎくんと5人の極道たちよ、負けるな! 任侠の本道を歩み、チェーン展開する介護事業会社社長・羽鳥(夏川結衣)の合理化路線に殴り込め!<テレビウォッチ

カモノ・ハシ

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