2024年 3月 30日 (土)

婚活逆ナン女性の顔モザイク 必要か過剰か

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   <テレビウォッチ> 婚活コンサルタントなる仕事があるらしい。

   「マンハッタン流婚活」というテーマでニューヨーカーたちの婚活事情を取り上げた番組の再放送を見て驚いた。

   2年間婚活している(どうみてもサエない)女性に、婚活コンサルタントなる職業の女性が「地下鉄に乗って、見知らぬ男性に声をかけろ!」と逆ナン指令を出すのだ。いかにもアメリカらしくて面白いのだが、指令を受けた女性は真剣そのもの。勇気を振り絞って地下鉄の車内で男性に声をかける姿が映し出されていた。ムチャぶり指令に素直に従う女性にも驚いたが、私が最も唸ったのはその映像だった。

「面倒起こしたくない」空気

   まず、クライアントの女性が顔出しで実名。そして地下鉄車内で定点カメラを設置し、乗客とターゲットの男性まで全員顔出しなのだ。もし日本で同じ映像を放送するとしたら、婚活コンサルト以外全員モザイクがかけられ、顔を切ったショットだろう。

   ここ最近、テレビを見ていてハテナと思うことはないだろうか?

   バラエティーから情報番組まで、街頭ロケになると通行人に全てモザイクがかけられている。なんだ? この町は犯罪者だらけなのか?? 顔なし人間ばっかりなのか?? モザイクだらけの異様な画が気になって、番組趣旨がぶれて出演者のコメントもちっとも頭に入ってこない。ロケ中に歩いていた人たちは、そんなにプライバシーが重要なのか? それほど個人情報を気にしなければいけない世の中なのか? そもそもいったい、いつからこうなってしまったのだろうか? 知人のディレクターに聞いたが、周りが始めたからウチでも……という曖昧な答えしか返ってこなかった。

   モザイクをいちいちかけてディレクターも面倒だろうにと思いながら、いつからこんなにモザイク天国テレビになったか自分でも考えていた折り、ある会議を思い出した。

   昨2008年の夏ごろだろうか? ワイドショー番組の会議で、チーフプロデューサーより上層部からの判断ということである通達がされた。

   「男の幼児の性器が映っている場合も極力カット」

   家族ものドキュメンタリーなどで、5歳ぐらいの男の子たちがワイワイ言いながらお風呂で遊んでいる映像を頭に浮かべてほしい。あの映像は男幼児性愛者を刺激すると言う理由で、撮影は上半身だけと通達された。モザイクをかけると家庭的な雰囲気が壊され、逆に強調し不自然で卑猥な印象を受けるので、全身撮影NGというわけだ。女の幼児については数年前からあったが、ついに男の子まで対象かと現場の人間は誰もが驚き、一部の異常性愛者のためにそこまでしないとダメなのか? これも子供を守るためなのか? とディレクターたちから異常な反応だと文句が出たのを覚えている。

   上層部からの現場通達。現場にいる人間だってサラリーマンだ。サラリーマン生命をかけてまで上に反発して幼児の全身を撮影することはない。ディレクターも会議で文句は言うが、外部プロで番組が成り立っている以上、局の方針に従うのが賢明だ。

   クレームが入るのを恐れての自主規制。確かに面倒なことは起こしたくないという空気は漂っている。誰もが責任を取りたくなく、仕事が減ることを恐れている外部プロは言われたとおりにやっているほうが身のためだ。

   マンハッタンの婚活コンサルタントのVTRから、日本の過剰に思える匿名性重視に改めて疑問を持った。この流れは今後も続いていくのだろうか。

   そもそも、このマンハッタン流婚活番組に出ていた出演者が、全員ヤラセでないことを願うのだが……

モジョっこ

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