2024年 4月 21日 (日)

公共工事VS消費刺激 民主政策「生活良く」するか

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   <テレビウォッチ>長年、公共投資による景気対策から抜け出せないできた政府・自民党の手法を否定し、生活重視の『内需主導型経済政策』を打ち出して大勝した民主党。

   『シリーズ政権交代』2回目は『どう変わる暮らし・景気』で、この『内需主導型経済政策』の効果を取り上げ、国谷キャスターがゲスト出演した民主党の大塚耕平・政策調査副会長に鋭く斬り込んだ。

銀行系エコノミストの評価

   7月の失業率5.7%と過去最悪、3人に1人が非正規雇用、ワーキングプアは1000万人といわれる厳しい経済状況の中で発表された民主党のマニフェスト。

   そこに盛り込まれていた16兆円を超える生活支援策で、果たして閉塞感に覆われた厳しい経済状況を変える起爆剤になるのか……

   その効果について民間シンクタンクは「マニフェストに盛られたすべての政策が実現されると、家計所得で5兆7000億円増加し、個人消費を1.3%押し上げる」と試算した。

   番組にVTR で登場したみずほ総合研究所の中島厚志チーフエコノミストも「直接家計を支援する策は、大きな効果がある。将来の不安のために貯蓄をしている人に安心が広がり、それが消費につながっていく」と、前向きな評価をしている。

   課題はその財源。民主党は6月、各省庁の担当者を呼んで、ムダな事業を洗い出すためのヒヤリングを行った。事業をゼロから見直すことで4年後には16兆円を超える財源を生みだすとしている。

   まず国谷の疑問は「家計を直接支援し、内需主導型の経済政策にする。なぜ、このアプローチの方が、これまでの自民党のやり方より効果的と考えたのか?」。

   大塚副会長の答えは、自民党がやってきた「経済が良くなれば生活がよくなる」という考えの逆を突いた発想。

   「生活をよくするために公共事業をやり企業を支援した自民党のやり方では、生活はちっとも良くなってこない。私たちは、発想を逆に変えた。生活が良くなれば結果として経済が良くなる。

   経済成長へのウエイトが大きい「消費」を直接刺激することによって、即効性のある経済改革ができ、企業活動も活発化、税収も増える。そういうサイクルを目指している」

来年度予算で何ができる?

   で、その生活支援のための財源の確保だが、目玉となる予算の優先順位の組み替えが、来年度予算編成で始まる。

   国谷は「大幅に予算を組み替えて年末までに来年度の予算編成を作り上げねばならない。自信はおありですか?」と。

   大塚副会長は「その努力を今、しなかったら何時するんでしょうかというくらい、財政状況は厳しいところに来ている。しっかりやらせて頂きます」と、さりげなく意気込みを見さる。

   今までの発想をがらり変える経済政策。当然ながら経済界では不満の声が強い。とくに民主党が打ち出した最低賃金1000円への引き上げついては評判悪い。

   日本商工会議所の岡村正会頭は「経済情勢を十分反映した上で理解していただかないと、むしろ雇用の悪化へ繋がる。企業が海外へ生産拠点を移してしまうのが選択肢の1つになってしまう」と。

   しかし、大塚副会長は経済界の批判について次のように論破する。

   「人件費を低く抑えることで国際競争力を維持する方法をずっと続けたら、理論上いずれ最貧国と同等の賃金水準に下がってしまう。誰もそんな国を目指したいとは望んでいない。

   日本の企業は、人件費以外の部分でコストが嵩んでいる部分がある。他国では無料なのに高額な高速道路料金。運送費にモロにハネ返っている。人件費以外のコストの軽減を目指すのが行政の刷新ということだ」

   民主党がやろうとしている政策は、一種の『経済革命』だが、目指す社会の実現にどのくらいの時間を見ているのか。「景気が一循環するには3年かかる。その一循環後、平成23(2011)~24年には形にしたい」という。

モンブラン

* NHKクローズアップ現代(2009年9月2日放送)

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