NHKドラマ「再生の町」 「素材はタイムリー」出来映えは?

印刷

「再生の町 第2回(全5回)」(NHK) 2009年9月5日 21時~

   まことにタイムリーな素材のドラマを作ったものだ。不況でデパートの合併から職を失った高岡駿馬(筒井道隆)が、故郷のなみはや市の市役所職員になる。チンタラ働こうと考えていたら、市が財政破綻寸前で、再建のプロジェクトチームに抜擢されてしまう。亡父も10年前に再建案の実行直前に挫折した市役所職員だった。
   業者から賄賂を受け取っていた市議会議長(近藤正臣)らの、ニュータウン計画推進派が市長・水元幸彦(吉田栄作)を抱き込み、財政再建のためNT計画の凍結を提案した駿馬らの巨大な敵として抵抗する。この2派の攻防の物語である。格別の観光施設も特徴もない地方都市が、高齢者介護、子育て、医療危機などの金ばかり掛って実入りの少ない諸問題を抱えて健全財政に転換するのは容易なことではない。夕張市のように破綻都市に転落するかもしれない。
   筆者は最終回まで見る機会があり駿馬らの勝利を知ったが、これからが険しい道なのだ。実例を数多く取材して書かれたと思える脚本(菱田信也)がよく、ボソボソと一見覇気のない喋り方の筒井が、激高もせず、だが粘り強く自説を推進してゆく役にぴったりでリアリティがあり、プロジェクトチームのメンバーの女性を演じた南果歩の、あのペチャッとした声が久しぶりで懐かしかった。随分オバサンになったが。民放ではとても視聴率の取れない素材を、骨太のドラマに仕立てたNHK大阪放送局の努力を高く評価したい。

(黄蘭)

採点:2
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter

このエントリーはコメント・口コミ受付を終了しました。

お知らせ

注目情報PR
追悼
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中