2024年 3月 29日 (金)

「天下り」ウハウハの7000億円 文春、怒りの実録ルポ

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   火曜日に、朝日の山口一臣編集長と話した。このところ、朝日も含め週刊誌全体の部数が少し上向いているが、それは、総選挙と酒井法子特需によるものだそうだ。のりピーこと酒井法子容疑者の覚醒剤事件は、初っぱな、夫の高相が路上で逮捕されたが、現場にいた妻の法子がいきなり姿を消してしまったことから、自殺説まで飛び交った。警察に出頭してくると、その失踪劇の背後にいた黒幕や、彼女の出生のことまでが次々に出てきて、ネタ枯れの週刊誌やワイドショーには干天の慈雨になった。

   これと同じ日に、押尾学事件も起きたのだが、ほとんどの週刊誌が合併号の時期だったため、合併号を廃止していた朝日の一人勝ちになった。

民主党・のりピーさまさま

   今回の選挙では、毎週、どの週刊誌も議席獲得予測競争を繰り広げたが、朝日は、選挙直前号で「民主307議席」と表紙に大きく謳って大金星を挙げた。これは政治ジャーナリスト野上忠興氏の予測だが、「ノーベル選挙予測賞」(森田実氏)ものである。

   選挙後、週刊誌の多くが発売日をずらして、朝日、現代、文春、新潮が水曜日に発売したが、どれも好調な売れ行きだったという。

   民主党、のりピーさまさまだが、こうした話題がなくなったときにどうするか、悩んでいますと、山口編集長はいっていた。

   大政権党になった民主党へのスタンスはどうするのかと聞くと、基本的に反権力でいきたいが、読者や世の中の空気は、民主党への期待感が強く、反民主党、反小沢の記事は、読者を得られないので、しばらくは、民主党応援団でいかざるを得ないようだ。

   確かに、鳩山由紀夫代表のリーダーとしての資質、小沢氏が幹事長に就任したことで権力の二重構造になるのではないかという危惧、官僚支配をどう打破していくのかについて、各誌言及してないわけではないが、どこか及び腰のようである。

   しかし、現代のように、藤井裕久「新財務大臣」と渡部恒三長老を引っ張り出して「デタラメな予算は即刻、削ります!」、「心配いらねえよ、小沢一郎も変わったから」と、まるで民主党広報誌のような誌面づくりをしているのは、行き過ぎではないか。

   面白い話を聞いた。私の編集長時代から一貫して小沢批判をしてきた現代が、民主党に寄り添って生きていこうと決めたらしいのだが(とはいっても、いつまで蜜月時代が続くかはわからないが)、往時は、親小沢だったポストが、反小沢、反鳩山路線をいくことに決めたのだそうだ。

   そのための体制も整えて、取材に入ったそうだから、攻守ところを変えた現代、ポストの誌面が楽しみだ。

   現代は、このところ不思議な合併号作りをしていて、今週号も合併号で、次号は19日、土曜日の合併号になる。

   これも聞いているところでは、現在の月曜日発売を、水曜日へ移行したいという考えが、現編集長にはあるようだ。確かに、水曜日発売なら、日曜日はもちろん月曜日昼頃までのニュースはカバーできるから、速報性は増す。しかし、私の時も、そうした発売日移行を考えたことがあるが、水曜日は週刊誌にとっては「魔」の曜日で、いくつかの週刊誌が水曜日に変更して発売したが、私が知る限りでは、ほとんどが失敗し、休刊していった。

   現代が水曜日に移行することで、そのジンクスを打ち破れるのか、見物である。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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