2018年 7月 20日 (金)

救急現場の患者へのひと言 ドクターヘリ「日本一」の信念

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   <テレビウォッチ>交通事故や大やけど、心筋梗塞。何の前触れもなくやってきて、我々に絶望を与える『不意の事態』。患者のもとに駆けつけるのは救急車と決まっていたが、それよりもより機動性に優れたヘリが使われ始めている。ドクターヘリ。今回のプロフェッショナルはドクターヘリで出動回数日本一を誇る救急医・松本尚。

   フジテレビのドラマ「コード・ブルー」でその仕事を知った人も多いのではないか。全国に18か所の拠点があり、今まで救急車では時間がかかりすぎて救えなかった命を守っている。松本の勤務先は日本医科大学の千葉北総病院。白衣を着ず、スクラブと呼ばれる青いユニフォームを着用する。

   言うまでもなく、命を扱う仕事は他のどんな仕事よりもハードだ。それは時間的にも、肉体的にも、精神的にも負担が大きい。神経をすり減らす仕事のはずなのに、松本は「心配ないから」、「困っちゃったけど、がんばろう」と前向きな言葉を投げかけ続ける。患者は突然の不幸に嘆いている。肉体的にも、精神的にも参っているのは患者の方だ……松本は救いの手をさしのべる。

「辛いと思うんですよね、とにかく。どうして事故を起こしてしまったんだろうって思われる方もいらっしゃると思うし、これからどうなるんだろうなんて思っている方もいらっしゃる。ですから、少しでもそれを取ってあげて、あなた方の味方なんだよって事をまず分かってもらった上で治療を始めたいっていうのを、意識的にやっています」

   『慈悲』とは苦を抜き、楽を与えるという意味だが、医療の道や看護の道に進む人々に共通する、共通しなければいけない意識の源はそこにあるはずだ。「強さと優しさ」と言えば青臭くなるが、松本を見ていて私たちが見習うべき姿勢はそこにあるのではないかと、強く感じた。

慶応大学 がくちゃん

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2009年9月8日)
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