ベトナムの高速道建設に食い込め アジアのインフラと日本ビジネス

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   <テレビウォッチ>「アジア新戦略」と題する2回シリーズの第1回。サブタイトルは「『国づくり』をビジネスに」。要は日本の政府や企業が、アジアにおいて道路や電力、通信などのインフラを造り、維持するビジネスに積極的に乗り出している、ということだ。

   アジアの可能性、という言葉ももう耳に古いし、発展途上国でのインフラ整備もいまにはじまったビジネスとは思えない。あらためて、いまなぜこのシリーズか。国谷裕子キャスターによって、番組冒頭から延々と続いた「理由付け」によると、こういうことだった。

バングラデシュの携帯大手に出資

   アメリカのバブル崩壊で、彼の国の巨大「消費」意欲に頼ることはできなくなった。一方、国内も人口減などで需要拡大などは見込めそうにない。ところで、欧米、日本の経済が今年に入って軒並みマイナス成長のなか、アジアだけは5.5%プラスだ。アジアの成長は手堅い。その半面、インフラ等はまだ遅れている面も多く、日本としては、そこに活路を見いだそうという状況らしいんである。

   ケース1。高速道路。ベトナムでは、ハノイーホーチミン間を軸に、全国5900㎞もの高速道路の整備計画がある。ネクスコ中日本はベトナムに同社初の海外駐在員を派遣、これらの道路の建設、運営に携わろうと目論んでいる。「高速道路は造っておしまいではなく、30年、40年と管理が必要。日本のノウハウの良さをわかってもらって、そのなかに我々のビジネスがあれば」(同社の担当者)

   ケース2。電力。首都ハノイ近郊でも電力不足で年100回もの(計画)停電が発生。これはビジネスにも差し支えるのであって、当地で工場を運営する日本人社長も「明日からでも停電をなくしてほしい」と嘆いている。そこで、用地の造成や送電線の整備といった民間には旨味のない部分に日本政府が資金を出した上で、日本の民間企業が発電所を建て、維持管理や運営のビジネスを営んでるという。

   ケース3。ケータイ。NTTドコモは370億円をバングラデシュの大手携帯電話会社に出資して、同地で事業を展開。「潜在的な成長力は非常にある。我々の収益に、それなりの貢献をする規模にはなると期待している」(同社の国際事業部長)

   「新ビジネス」がテレビで取り上げられるときには、なんだかもっともらしく見えるものだ。もちろん、将来を語る担当者たちは自信満々といった顔つき。成功は約束された、日本の未来は明るい。今回の「がんばれニッポン」的物語はそんな感じで終わったが、現実はまた別のお話である。

ボンド柳生

   * NHKクローズアップ現代(2009年9月15日放送)

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