9・11同時テロと再現映画 米国オンリー主義に物申す

印刷

「金曜ロードショー ワールド・トレード・センター」(日本テレビ) 2009年9月11日 21時~

   誰でも知っている2001年のアメリカ同時多発テロの再現映画。既に筆者は見ていたが、改めてこの日に放送されたのは意義深い。ニコラス・ケイジが生き埋めになって、困難な状況下でやっと救出される湾岸警察の警官に扮した。感動的な家族愛の物語でもある。
   筆者はこの事件の数日後、ある雑誌の対談に出席してテレビ局の米国在住から帰国直後の報道局長と話をした。人それぞれ考え方が違うと感慨深かった。報道局長はまるでアメリカ人の代弁者のようであったから。それに反して、筆者の感想は冷たいものだった。第2次大戦中、日本は原爆や沖縄地上戦や東京大空襲などで、夥しい民間人が殺された。戦火の欧州の国々も同じである。一方、米国は南北戦争など僅かに数回だけ国土の中で戦争があったが、基本的に自国が戦場になったことがない。だから、WTCビルの崩壊で、かくも逆上したのだ。自国民が殺戮される悲劇を始めて体験したのである。
   筆者は内心アメリカに対して「思い知ったか」と毒づきたい心境がよぎったのである。テロを憎悪することにおいては何人にも負けないが、原爆を是認するようなアメリカ人の自国オンリー主義に対しては物申したい。原爆は理屈抜きの絶対悪である。イラク戦争が、泥沼のベトナム戦争もどきになったのは、当然の帰結である。
   余談だが、日本はテロに対して甘すぎる。ワールド・トレード・センターの悲劇が西新宿のビル群でも起きないとは限らないのだ。

(黄蘭)

採点:1
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter

このエントリーはコメント・口コミ受付を終了しました。

注目情報PR
追悼

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中