忙しい若い女性 これ見ると心和むかも(プール)

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(C)プール商会
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   <プール>「かもめ食堂」「めがね」のスタッフが制作。原作は漫画家・桜沢エリカ、脚本・監督はドラマ「カバチタレ」や「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」、映画「デトロイト・メタル・シティ」など話題作の脚本を手がけてきた大森美香だ。

   4年前に自分を置いて単身でタイ・チェンマイに移住した母・京子(小林聡美)を訪ねた娘・さよ(伽奈)。母親に対してずっと心にわだかまりを抱いて生きてきた彼女だが、ゲストハウスでのびのびと働く母を見るうちに、そしてゲストハウスに滞在する市尾(加瀬亮)、菊子(もたいまさこ)、タイ人の少年ビー(シッティチャイ・コンピラ)など個性的な面々と交流するうちに、かたくなだった彼女の心は次第に変化していく。

   今回も過去作品に続いて、台詞が少なく、音楽も劇中で小林聡美がギターをつま弾くシーンとエンドロールに流れる曲以外は、ほぼない。代わりに、鳥や家畜の鳴き声、風の音など自然の物音が心地よいBGMになっている。

   また、これも過去作品の流れを踏襲しているが、丁寧に料理を作るシーンや、ゆっくりと食べるシーンが今回もふんだんに出てくる。

   正直、エンターテイメントとしての映画を求めている人には、ものたりない作品だろう。そういう人が観るのはおすすめしない。しかし、ある意味ではこの押し付けがましくないシンプルな演出と、見ているだけでうっとりするような手作りの料理の数々に、普段食べることもままならない慌しい毎日を送っている人、とくに若い社会人の女性などは、ホッと心が和まされると思う。そして映画館を出たらきっと、おいしいものが食べたくなることだろう。

   ちなみに、この映画のタイトルがなぜ「プール」なのかというのは、明確なメッセージが劇中では出てこないのが、ちょっと気にかかった。言いかえれば、別のタイトルでも全然問題ないような気がする。しかし、性別、年齢、境遇に関係なく、人間誰しも気がねなく自分を解放できる「場所」は必要なもの。登場人物たちにとって、ゲストハウスの庭にあるそのプールは、少なくともそういった意味のある特別な場所の1つなのかもしれない。<テレビウォッチ>

バード

   オススメ度:☆☆☆

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日本ジャーナリスト専門学校
通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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