2024年 4月 26日 (金)

民放にはできない? サプリメント「負の部分」検証

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<テレビウォッチ> 体に良かれと思って使ったサプリメントが健康に悪いとなったら、利用者はショックを受けるだろう。番組はまず2つの症例を紹介する。

   1)友人からダイエットにいいと勧められてαリポ酸を飲んだ女性のケース。αリポ酸には活性酸素を抑える作用があり、カプセル1つに、ほうれん草630キロ分が含まれているという。2週間服用したところ、手がけいれんしたり、意識がなくなったりした。

   2)パーキンソン病を患い、薬を飲んで症状が収まっていた男性が、ある種のアミノ酸のサプリメントを飲んだら、翌日、手の震えが起きた。

「副作用の正しい検証必要」

   1)の女性は検査の結果、血糖値が極端に低くなっていた。インスリンが通常の100倍以上、分泌されていたのだ。さらに検査を進めると、αリポ酸が女性の体質に合わず、インスリンの大量分泌を招いたことが分かる。αリポ酸をやめると症状はとまった。「こんなに体を痛めるものとは考えなかった」と女性は話す。

   2)の男性の場合は、飲み合わせが原因。アミノ酸のサプリメントを同時に飲むと、パーキンソン病の治療薬の吸収が妨げられるのだそうだ。

   スタジオゲストの梅垣敬三(国立健康・栄養研究所情報センター長)は、サプリメントのリスクをこう語る――特定成分が濃縮されているため、医薬品と同じ作用を生体に及ぼす可能性がある。また、錠剤、カプセルの形で販売されていて消費者は医薬品と同じような印象を受け、病気の治癒に使ってしまう人がいるし、過剰摂取するのも問題――

   国谷裕子キャスターによれば、サプリメントが日本に導入されたのは13年前の市場開放からで、急速にマーケットが広がった。今や6000億円市場、国民の6割が利用した経験をもつという。一方では、健康被害の報道に接することも少なくない。番組は、日本医師会には毎月、新たな症例が報告されていると伝える。医師会のある常務理事は「効果、効能、相互作用、副作用についての正しい検証も必要。今は野放しで宣伝が行われている」と指摘する。

いい情報「鵜呑みにしないで」

   消費者としては、メーカーに『悪い情報』の提供も望みたいし、厚生労働省が設けた「健康食品の安全性確保に関する検討会」の報告書でも、メーカーに対し、摂取量の目安、注意喚起の表示を徹底するよう求めているが、限界があるようだ。

   とすれば、サプリメントとどのようにつきあって行けばいいのか、国谷から問われた梅垣は「健康食品とかサプリメントで体の機能が飛躍的に改善することはない。基本は日常のバランスのとれた食事、運動、休養だと理解してほしい。いろんな商品に関していい情報が出ても鵜呑みにしないで冷静に受け止めてほしい。あくまでも補助的に利用していただきたい。さらに、自己判断で病気の治療に使わないでいただきたい」とした。

   メーカー側にとってはとり上げてもらいたくない話題だったに違いない。NHKならではの企画だろう。

アレマ

NHKクローズアップ現代(2009年10月8日放送)
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