儲かる「のんびり酪農」 その逆転の発想

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   <テレビウォッチ>北の大地で牛と暮らす男。それが今回のプロフェッショナル。酪農家の三友盛行。規模の拡大を目指し、大量の牛を飼い……というビジネスから手を引いた男だ。

   三友の酪農スタイルは、私が思い描く酪農スタイルそのものだ。ゆっくりと流れる時間の中で、牛が広大な牧場で草を食べ、牛舎で乳を搾られる。今、そのような姿は珍しいという。

牛の数は半分

   一般的な酪農家は大量の牛を長時間牛舎で飼い、穀物を混ぜた餌を与える。効率よくミルクを生産するためだ。牛の管理も一部を業者にアウトソーシングする場合があるという。しかし三友はそれをしない。飼育する牛の数は平均の半分。生産量は3割程度。のんびりと牛に挨拶をするところから1日が始まり、牛を牛舎から放牧地に放つ。牛のケアも自分でする。

「こんな事やってるんだったら牛1頭でもしぼった方がいいよ。そしたら金になるでしょ。で、稼いだ金で装蹄師(ひづめのケアをする専門家)頼んだ方がいい」

   じゃあなんで三友はそうしないのかと尋ねられたら、

「1番面白いところを他人にやるか? 面白いんだもん」

   彼の牛を愛する姿が、本当に暖かだった。

全国旅し、北海道へ

   三友は浅草育ち。高校を卒業後、全国を旅して回った。その終着地が北海道だった。そこで酪農業を始める。大規模な酪農をやろう、そう三友は奮起し、広大な林を牧草地に開拓した。牧場を大きくするために。しかしあるとき、1本の木も残さず開拓した牧場を見て違和感を覚える。自分の思い描いた風景ではなかった。

   そこで、開拓した大地に木を植え始めた。木を植えると、放牧地が足りなくなる。そこで、牛の頭数を減らした。牛が少なくなった分、余裕が増えた。牛のケアに時間を割けるようになった。その結果出費が抑えられた。生産量が少なくても、利益をあげられていた。

   三友はいたってマイペースだ。利益を追求しようともしない。最大限の利益を求める事が経済活動なのではないか。でも三友はそれを超越したところにいる。牛を愛し、大地を愛し、自分の周りを愛する。こんな素敵な生き方もあるのだと、三友は伝えてくれた。

慶応大学がくちゃん

   * NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2009年10月6日放送)

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