新駐日アメリカ大使、ヒロシマ訪問 その感想と行動とは

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   <テレビウォッチ>8月に赴任してきて、2か月ほど経った駐日アメリカ大使のジョン・ルースに、クローズアップ現代は「テレビ史上初」のインタビューに成功した。インタビュアーは国谷裕子キャスター単独で、放送タイトルは「オバマ 『盟友』 ルース新大使が語る」。

   さて、「異色の大使」というのが、ルースにつけられたキャッチフレーズだ。よくある「知日派」「親日派」ではなく、それまで訪日の経験なし。また政治家になったことも、外交官だったこともなく、いきなり大使になったのだ。

安保問題踏み込まず

   とはいっても、それまでの経歴は華々しい。シリコンバレーの著名な有力法律事務所の敏腕弁護士で、最高経営責任者までつとめた。グーグルなどのIT企業の上場を手がけ、環境関連ベンチャーなどにも携わってきたそうだ。そのかたわら、政治運動にも熱心で、オバマ現大統領をはやくから支援してきたことで信頼関係を築き、直接アドバイスできる仲だそうである。

   そんなジョン・ルースのジャパン(テレビ)デビューを見る限り、硬い表情と神経質そうな挙措動作が目につき、あまりテレビ慣れしてないようだった。ときおりオバマとの個人的な関係を強調しつつ、オバマはオバマ(で私ではない、決めるのは彼だ)的なエクスキューズは忘れず。回りくどく「アメリカの立場」を説明するというビジネスライクな展開だった。

   後に国谷キャスターが「(安全保障の問題については)お聞きいただきましたように、踏み込んだ発言はしませんでした」とふりかえったのも、うなずけた。もっとも、赴任して初のテレビインタビューで、日米の重要課題についてうっかり失言してはいけないと身構え、多少は緊張していたのかもしれない。

「24時間働く覚悟」

   一方で、国谷キャスターが「意気込みが強く伝わってきた」と高評価したのは、ヒロシマや核廃絶、環境面での日米協力などについて語った後半部分。広島の平和記念公園を訪れた際は、自分で折った折り鶴を供えたというルースは、「(ヒロシマを見て)心を激しく揺さぶられた」と言葉をつまらせる。「すべてのアメリカ人が1度はヒロシマを訪れるべきだ」と話し、間もなく来日するオバマ大統領にも「ヒロシマ訪問」をアドバイスすると示唆した。

   インタビューの終わりで、「最後の質問になりますが」と、にこやかな表情の国谷キャスター。「これまで経験のないルース氏に、駐日大使の仕事ができるのかと感じてる人もいるようですが――」。なかなか厳しいことを聞かれても、ルースはまったく顔色を変えず。「(オバマは)私の経験や新しいモノの見方を見て、私が適任だと信じてくれている」「新たな日米関係に貢献できると信じています」とマジメに答える。

   「そのために24時間働く覚悟です」と言ってから、「少しは睡眠もほしいですが」と付け足す。ちょっとしたジョークのつもりだったのか、なんにしてもその顔つきから読み取ることはできなかった。

                              

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2009年10月13日放送)
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