現代の医者が江戸時代へ 荒唐無稽かと思いきや…

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「JIN・仁」(TBS) 2009年10月11日 21時~

   映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」以来、過去や未来に主人公がタイムトリップする話は大はやり。このドラマも荒唐無稽なトラベル劇画だろうと高を括って見始めたら、結構よく出来ていたのである。現代の脳外科医・南方仁(大沢たかお)が、手術して胎児形の腫瘍を摘出した患者と一緒に江戸末期に落ちる。そこで様々な、頭を怪我した患者たちを、ただ1つだけ持参していた手術道具を使って治療してゆく物語である。斬られた武士や馬に蹴られた女たち。
   坂本龍馬(内野聖陽)、勝海舟(小日向文世)、緒方洪庵(武田鉄矢)ら幕末の有名人が出てきて、これから史実とどうやって絡み合っていかせるのか見てのお楽しみだ。時代劇部分の造り方が本格的で、例えば花魁・野風(中谷美紀)のおねり風景や、旗本屋敷のセットなど立派なものである。武家娘・橘咲(綾瀬はるか)も可憐。
   こうしたタイムトリップ・ドラマは下手すると、不便な時代を現代人の目から見て揶揄することが多いが、この作品はそんな視点はもたない。怪我や病気の人を助けるヒューマニズムの精神は時代を超えて普遍のものであるので、仁はひたすら人助けに邁進する。異国人か蘭学医かと疑っていた江戸の人々が、次第に彼に従うようになり、彼もまた、現代の自分の悩み事について、江戸の人々の知恵から教わっていくのではないかと予測できる。立ち位置は2流と見られていた大沢たかおが案外頑張っている。脇役陣も豪華だ。

 

(黄蘭)

採点:1.5
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