菅国家戦略相、熱く語る 「従来の行政原理間違ってた」

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<テレビウォッチ> 鳩山内閣が発足して1か月。政権の目玉といわれた国家戦略相、菅直人副総理の動きが見えてこない。当初、「国家戦略」というネーミングから、国の方向性、将来の青写真を示す役どころを想像したが、違った。「予算の骨格を決める」ことが主要な任務らしい。確かに国の存立にかかわる仕事で重要だが、足元のことという気がしないでもない。番組が「政権のキーマン」(ナレーション)という菅国家戦略相をスタジオに招いた。

   主要任務とされる予算づくりも、ままならないようだ。国谷裕子キャスターと記者から、2010年度予算の概算要求が90兆円超で過去最大になりそうなこと、税収不足で国債を発行する事態になるのではと問われて、次のように答える。

「初めて国民主権内閣が」

   ――本来、歳入の見通しを立てて大枠を決め、歳出の方に行こうと思ったが、残念ながら政権誕生が9月で、まだ歳入見積もりを含めていろんなものが……前内閣の歳入見積もりも相当、狂っている状況で本来、思い描くとおりにはできない。マニフェストで初年度に約束したことをいかに実現できる予算にするか。財政規律も大事だが、雇用、景気などの問題もあり、ある程度の国債発行はやむをえない。ただ、大事なのは何に使うかの中味だ。1番、苦労している中味を見ていただきたい――

   スタート早々で内閣全体が試行錯誤の中、やりにくさを滲ませたが、『政治主導』論は熱っぽく語った。

   ――従来の行政のあり方、原理は間違っていた。今までは、政治家は国会で法案や予算を審議してください、行政は私たちに任せてくださいというのが官僚の姿だった。大臣や総理大臣は政治家から出るが、その周りは全部、官僚。明治憲法下では、天皇が総理や大臣を決め、天皇の官僚がそれをサポートする。今の憲法は、総理大臣を直接、国民は選べない。が、国会で多数の議席を得た政党が自分たちのリーダーを総理大臣にして、自分たちの党が内閣全体に責任を持つ。当然、一元的に政党が内閣の中で活動をする。従来は三権分立で、やっちゃいけないことのように言われたが、日本憲法には三権分立という言葉は一言もない。国民主権だ。明治憲法以来123年、官僚主導の政権が当たり前だったのが、初めて国民主権の内閣ができた――

   民主党政権が唱える『政治主導』の中味は、まだ十分に国民には伝わっていない。その役を担うとすれば、この人が適任だったのではないか。行政刷新会議担当相との役割分担があいまいで、存在感が希薄な国家戦略相よりは、大官房長官としてスポークスマンを務め、各省の調整に力を発揮した方が相応しいように感じられた。

アレマ

   *NHKクローズアップ現代(2009年10月15日放送)

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