2024年 4月 19日 (金)

3年で客2倍のホテル 「1泊2食8800円」のお得な中身

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   <テレビウォッチ>今2009年は秋が足早にやってきた。秋晴れの日が多く、絶好の行楽シーズンが続いている。問題は、未曽有の不況のさなか、財布の中身だ。

   そうした中で利用者のニーズを捉えた新しいビジネスモデルの開拓が始まっている。番組は、旅館・ホテルが進めている新ビジネスモデルの最前線を追った。

「行楽楽しみたい」90%超

   今年のレジャー白書によると、昨2008年の旅館・ホテルの売り上げは前年に比べ5.6%減の2兆7990億円と落ち込んだ。ピークだった1991年に比べて4割近い減少になっている。とくに昨年は、米国・金融危機の影響で一段と不況が深刻化し、旅館・ホテルの倒産続出にまでおよんだ。

   その一方で、行楽の機会をもっと増やしたいと考える人が55.9%に達し、従来通り楽しみたいという人を含めると90%を超える。レジャーを楽しみたいが宿泊代が高すぎる、そんな現状が浮き彫りになった白書だった。

   そのギャップをなんとか埋めようというのが新ビジネスモデルに挑戦中の旅館・ホテルだ……

   1泊2食8800円の伊豆のホテル。以前ここにあったホテルは1万7500円で約半額の値段だ。

   しかも、ただ安いだけでない。現在、カニ食べ放題、ビール・ワイン飲み放題、ミニゴルフ場、卓球状は無料という。秘けつは、経営が行き詰ったホテルを買収したことで初期投資の必要がなかったこと。

   さらに経費の3割を占める人件費を削減し、仲居のサービスを止めた。食膳費を軽減するために食事もバイキング形式にした。

   不透明な会計と不興だった土日曜日の割増料金制を止め、365日統一料金を実現した。その結果、この3年で2倍に客を増やしたという。

地元客も狙え

   福島県の芦ノ牧温泉。通常の旅行客は1泊2食付き1万円だが、『オールシーズン繁忙』を狙って平日泊まれる地元の客は7350円からとした。

   食事も、他県からの旅行客には郷土料理を、地元の泊り客には海の幸を出すようにした。その分コストが2倍以上に上がったが、商社と年間契約を結び、安く食材を仕入れている。

   キャスターの国谷裕子が「サービスは少々削っても365日同一料金でビジネスを行う。トレンドになっているのでしょうか?」と。

   この問にツーリズム・マーケティング研究所の井門隆夫主任研究員は次のように……

「最近は気兼ねのいらない仲間や家族は1泊2食1万円、あるいはそれ以下。招待する場合は3万円と、2極化がトレンドになっている。
1番苦労しているのは1万5000円ぐらいの平均的旅館。多くが法人客相手にやってきたところでその需要がパッタリなくなって1番辛い」

   もっとも、そうした苦境から脱出しようという模索も始まっている。井門主任研究員によると、どんどん細分化している客のニーズを絞り込んで営業する旅館・ホテルがでてきたという。

「女性限定」で客続々

   たとえば、客層を女性に絞り込んだ石川県の片山津温泉のホテル。女性か女性が半分以上のグループでないと泊まれない。1泊2食で7800円で、「思いっきりリラックスできる」と、女性客が続々訪れているという。

   また、昼11時にチェックインしてランチを食べ、浴衣に着替えてくつろいだ後、夕食を食べて21時にチェックアウトの『ゼロ泊2食』が、京阪神中心に全国に広がりつつあるとか。

   「マーケットの多様化で客のニーズも細分化している、今は何をやっても当たる可能性があります」と井門主任研究員はいう。

   残る問題は高すぎる交通費だが、これも高速料金の無料化(?)とまでいかなくても大幅に安くなれば風穴があき、安くなる可能性も……ここでも時代が変わりつつある。

モンブラン

   *NHKクローズアップ現代(2009年10月21日放送)

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