2024年 4月 20日 (土)

見えざる手VS見える心 欧州はまた分裂するのか?

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<テレビウォッチ> ベルリンの壁が崩壊したのは20年前の1989年11月9日。この日から東欧は民主化が進み、ヨーロッパ各国は経済成長と統合への道を順調に歩むかと思われた。が、昨2008年、状況は一変する。

「金融危機で経済成長に急ブレーキがかかり、西側も東側も相互に繁栄するかに見えた構図の脆弱さ、統合への道のりがまだまだ遠い現実を浮き彫りにした」(国谷裕子キャスター)。

ハンガリーの苦境

   番組のタイトルは「壁崩壊20年 欧州の光と影」だが、取材班が力点を置くのは「影」の方だ。まず「市場経済化の優等生といわれた」(国谷)ハンガリーの苦境から――失業率が9.9%と悪化する中、国は厳しい財政を立て直すため、消費税を25%に上げ、社会保障費を減額する。

   バイナイ首相は「経済成長はしたが、目標には遠く及ばない。国民の多くは失望している。20年間、国政を担ってきた政治家の罪は重い」と演説する。既存政党の排除を主張する右翼政党の支持率は10%を超え、低迷する政権与党に迫る勢いだという。歴史学者は「外国企業は残念なことにハンガリーの経済発展に関心がない。だからハンガリー経済は植民地に近い状況にある。経済も政治もよくない」と話す。

   国谷は、ハンガリーの現状に同情的だが、スタジオゲストのテオ・ゾンマー(ディ・ツァイト紙論説主幹)は、「金融危機の前、ハンガリーは25年前より、はるかにいい状況だった。ポーランドなどは金融危機の影響をさほど受けていない。ブダペストはやり方が悪かった」と、にべもない。そんなに深刻に見なくてもいいよ、と言いたげだ。

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