モナコと社交界を語る 「いたって普通ですよ」の意味

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<テレビウォッチ> モナコに住居を構え、各国の王族、貴族との付き合いがあったというアッパークラスな日常を過ごしていた方と、とある番組でお仕事をさせていた。普通じゃ会えないような方とお会いできるこの瞬間こそ、ワタシたちの職業の特権!

   下世話な人間のハシクレとして、社交界のエピソードをうかがってみることに。彼は、世界を駆け巡り活躍したジェットセッターの元スポーツ選手。これは聞かずにはおられないでしょ。が、しかし……

『普通じゃない』

「そんな社交界だからって、何も変わらないですよ。マナーが特に厳しいってこともないですし、いたって普通ですよ」

と、ぴしゃり。ドコドコ王国の王子とか王女とかと一緒にパーティーでおしゃべりしたり、お食事会に行ったりしていたわけでしょ。それ、全然普通じゃないから……と突っ込みをいれたくなったが、彼はいたって普通な人達と主張する。

   その時、「あ、ここが下世話な日本人だ」と、私すごく反省しました。

   どうして日本のマスコミや社会はこうも『普通』を求めたがるのか? ってことが思い返されたから。データの平均値が大好き! そして平均値から自分の位置や価値を確認することがもっと好き。自分たちと少しでも違う生活をしている人をいい意味でも悪い意味でもやり玉に挙げて、『普通じゃない』の一言で片付けようとする日本。国民のほぼ全員が中流階級という社会構造からか、自分と違う生活をしている誰かを差別化して図式化したがる。特にテレビは……

   でも、これってちょっとカッコわるくない? 人は人、個々に違う個性を認め合って比較することなく自分は自分の生き方を歩めばいいし。個人主義の諸国からすれば、これは普通じゃないよね。

転校生が多い

   んん? とすると、普通ってなんだ?

   普通じゃない人を取り上げることに血眼になるマスコミ。いったい何が普通なのか? 特にテレビは世界中から普通じゃない人を探し出し、いかに普通じゃないかをわかりやすく伝え、視聴者に自分は普通だと思う安堵心を与え続ける。

   では、このテレビ番組を作る裏方たちはどうなのか?

   そう考えると、テレビ番組制作の中でも放送作家には転校生だった人が多いことに気がついた。転校生は、子供時代から普通か否かを考えるチャンスが多い。冷酷な子供社会の中、好奇の対象となる転校生は早期段階で自衛策としてキャラを作り上げることに邁進する。極端なキャラで人気者にならないと、存在そのものが普通じゃないと扱われ、その後の学校生活に影響を及ぼすからだ。その転校生の中でも、キャラ防衛策を繰り返してきた子供が人とは違った面白さに気付き、テレビ業界の門戸を叩き放送作家を職業に選んだのではないかと推測してみた。諸先輩の中でも、国内外を転々とした子供時代を持つ人が多く、ある先輩は、転校生だったことが今の職業に役立っていると自認していた。

   でも、放送作家の元転校生は私含めやっぱり大人の社会でも『普通じゃない』と言われている。普通じゃない人が普通だと見せている時点で普通じゃない。この矛盾を抱えつつ、今日もテレビは普通じゃないを探し回っている。

モジョっこ

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