森繁久彌が見たら喜ぶ? 偉大・偉大のオンパレード

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   <テレビウォッチ>「いい加減なところで、人をいい加減にだまして、おしまいになるのが森繁久彌。こう思って笑ってくださればけっこうです」。先週、亡くなった俳優の森繁久彌は生前のインタビューでこう語っていた。

   しかし、諧謔というものをあまり解さないクローズアップ現代は笑うどころか、ありがちで平板で鯱張った追悼特集を組んでしまうのである。

「台本以上のものが出てくる」

   かつての共演者に取材しては、故人は偉大だ、恩人だ、感謝してるといった弔辞を立て続けに流す。

「森繁さんに影響されなかった人はいないと思う。すぐそばにいた神様みたいな人」(伊東四朗)
「こうしたほうが人間性が出ると、(アドリブで)プラスしていく。台本以上のものが出てくる」(赤木春恵)
「おそれおおいぐらいの偉大さ」「我々とはスケールが違う。出てくるセリフも僕らみたいな作ったセリフではない」(西郷輝彦)
「とにかく長い間、お世話になって、いろんなことを教わって感謝してます。これは本心から言える」(竹脇無我)

   お次は故人の経歴である。演劇の名門の早稲田大学出ながら、新劇などではなく、大衆演劇の道を歩いた。端役が続いたが、転機は戦前、NHKアナウンサーとして旧満州に渡ったことだった。彼の地で体験した戦争の悲惨さが人生と演技になにかの影響を与えたのだろうと見られるが、番組はさらさらと進んで行くので、その辺はどうもよくわからない。

   シメにはスタジオゲストの映画評論家、佐藤忠男をして役者としての森繁の「意味」を語らせる。「戦後の日本人を体現した人」「(ゴマすりなど)自己卑下ということを茶化し、笑いにして軽快な動きをした」「喜劇役者としてはじめてシリアスな役についた」などと評論して、一丁上がりである。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2009年11月17日放送)

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