坂の上の雲 初回視聴率にめげるな

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「坂の上の雲 第1回『少年の国』」(NHK) 2009年11月29日20時~

   直球勝負の堂々たる正統派ドラマである。年末の大河ドラマを蹴飛ばして3年がかりで放送し、国内外22か所でロケをし、予算額は250億円以上、主役の本木雅弘は3年間他の作品に出ず、生活できるのかとスタッフが心配した等、数々の話題を振りまいて初回視聴率17.7%。裏のボクシング中継がなかったらもっと高かったろう。
   今や死語になった「青雲の志」を抱いて、四国松山から東京に勉学に出てきた実在の3人、秋山好古(阿部寛)、秋山真之(本木雅弘)、正岡子規(香川照之)の青春物語だが、当初、「この不況時代に明るい明治の群像が果たして違和感なく見られるか」と思ったが、杞憂であった。渡辺謙の語りが始まったと同時にこの時代がすっと胸に入ってきた。無声映画のように言葉を文字で書いたのも解り易い。
   司馬遼太郎が映像化を拒否していた理由に、秋山兄弟が共に軍人なので、国威発揚とか軍国主義に利用されるのが嫌だというのがあった。しかし、明治以降の日本人の生き方を描けば、必ず軍国主義にぶち当たる。避けて通れないそういう時代の中でも確たる人間の生き方を描けばいいので、貧しい中でも矜持をもった男らしい男たちの理想を高らかに掲げた姿が心地よい。俳優たちが適材適所だ。
   子規・母(原田美枝子)、秋山・母(竹下景子)、高橋是清(西田敏行)、いずれも好演。筆者の亡母は子供の頃、高橋是清邸そばに住んでいたので、英語の授業場面がことのほか興味深かったのである。

(黄蘭)

採点:2.5
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