人生のリハビリ師 あえてバリアを残す訳

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<テレビウォッチ>突然体の自由が利かなくなる障害がある。脳卒中。脳の血管に異常が生じ、破裂したり、詰まったりすることが原因で起こる脳の障害である。その脳卒中が身体の一部を麻痺させたり、会話に障害をもたらしたりする。

   しかし、それらの障害はリハビリで回復させることができるという。今回のプロフェッショナルは、その手助けをする作業療法士・藤原茂。

「むきにならないと」

   リハビリは想像を超える過酷なものである。思った通りに動かない体を必死に動かし、体が自由に動いた頃の感覚を取り戻す。中には挫折する人も多いという。それを受けて、藤原は今までとは違ったリハビリメニューを用意した。

   廊下の壁際には、高さの違うタンスを並べる。高さの異なるタンスを掴んで歩行することで、リハビリになる。通常の施設なら、手すりを設置するだろうし段差もなくすだろう。しかし藤原はあえてバリアを残す。それがバリアフリーならぬ「バリアアリー」。

「私はあなたのことを放っておけないんです、という感情が相手に伝わって頂ければいいんです。『あんたがそれだけ言うんやったら、私も頑張るわい、私もやるわい』。そういう気持ちを引き出すために、むきにならないといけないと思うわけですよ」

   日常生活のちょっとした動作をリハビリに変える。当たり前のようにできていた動作ができないことに、もどかしさを覚えるだろう。しかし、それを克服したときに、暗闇に光が射す。

「病気になって、(以前は)見えないものが見えるというのがいっぱいあるんですね」

   障害を持っているから、というだけで全てふさぎ込み、自殺まで考える人もいる。いやいやそうじゃないと、希望ある未来へ導くことが藤原の仕事。「人生の回復」と彼は言ったが、心と体を回復させる。まさに人生のリハビリ師だ。

慶応大学・がくちゃん

   *NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2009年11月17日放送)

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