戦時寄せ書き日章旗 「米コレクターに人気」の複雑

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<テレビウォッチ>赤い日の丸の周りに名前の寄せ書き。「武運長久」の文字はひときわ大書きに。第2次世界大戦に出征した日本人兵士に贈られ、離さず身につけていた日章旗が、いま意外なところで人気になってるそうな。それは米国のミリタリーグッズ店やオークション。番組の調べでは、200~300ドルとけっこうなお値段で売買されているものもあるそうだ。

   いったいどんな人が買ってるのかと興味も増したところで、番組はこうした日の丸を200枚以上所有するコレクターに出会った。さっそくお宅を訪問してコレクションを拝見。所変われば見方も変わり、指の油を付けないように軍手をして日の丸を持ちながら、「(日の丸の)ありのままの姿を見ているだけで美しい。美術品ですよ」と絶賛するコレクター。

「売買対象とは悲しい」

   これが通常のルートで売買された仏像などであれば、「外国で意外な人気」で終わるところ、日の丸ともなれば、主に死んだ日本人兵士から収集されたものであり、万感込められた国旗であるからそうもいかない。番組的には道徳、倫理、愛国的な問題意識を持ったらしく、放送タイトルも「さまよう 兵士たちの『日の丸』」と付いている。

   ところで、米国人にも、死期が近づくなどして良心に目覚め、日の丸を「遺族に返したい」と思い立つ人があるそうである。そんなリクエストを助けるため、ある米国在住の日本人は、兵士の遺品の返還支援サイトを立ち上げた。しかし、あまり作業ははかどってないとのこと。日本側の反応が芳しくないのが一因だという。身元が全然確認できなかったり、手がかりがあって問い合わせても返事も来なかったりなどのケースがあるそうだ。

   「(日の丸が)売買の対象になってるのは、悲しくなりますね」とスタジオゲストの作家、半藤一利。「戦争があまりに悲惨だったから、戦後の日本人は戦争と向き合いたくないという思いが強かった。それが日の丸にしろ、遺品にしろ顧みられない状態を生んでいるのではないか」と返還が進まない原因を分析した。

                            

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2009年12月8日放送)
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