認知症男性が子守始めた! 共生型介護の希望と壁
2009.12.10 17:48
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「専門部署つくり推進を」
この劇的変化をどう解釈すればいいのか。キャスターの国谷裕子は「意欲というのは、置かれている環境によってこうも違うのでしょうかね?」と。
番組に生出演した日本福祉大学の平野隆之教授も次のように語った。
「長年、共生型介護を見てきたが、今回のVTRで、男性が周囲の環境によって変化しているのには大変驚いた。今まで介護される側だった人が介護する方に関わることによって、自分の持っていた自分らしさが発揮できるようになったのではないか。それを促すような場をスタッフが作られている。それが条件になっている」
ただし、この『共生型介護』を導入しているのは13道県しかない。
お年寄りは高齢者の施設、障害者は障害者施設、子どもは保育所それぞれ専門のスタッフが介護を行い、施設の内容や人員も細かく決められている。
こうした施設は慢性的に不足しているにもかかわらず、行政に横の連携についての理解がなく広がらないのだ。
国谷キャスターの「共生型介護の役割、位置づけは今後どうなっていくのでしょう?」という問いに、平野教授は次のように答えた。
「行政は、新しい部署で積極的に推進する措置を取らないと進まない。先駆的に実践している施設の力を借りて取り組めば、地域の福祉づくり、町づくりのひとつの方向になると思う」
施設が足りない、お金がないと騒いでいるだけでは進まない。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2009年12月9日放送)