「剣豪」反町・もこみち 本当に斬り捨てたもの

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「新春ワイド時代劇 柳生武芸帳」(テレビ東京) 2010年1月2日16時~

   昔は12時間ドラマとして、お昼から真夜中までぶっ続けで放送し、テレビ東京唯一(?)の存在価値あるワイド時代劇だったのに、哀れ7時間になってしまった。風前の灯。だから、夕方の16時というヘンテコリンな放送時間スタートである。お蔭で、視聴率も稼げず、五味康祐の有名小説が原作でもたったの6%台であった。
   失敗の理由の1つは、若者にも見てもらいたいと据えた主役の2人、柳生十兵衛(反町隆史)と柳生又十郎(速水もこみち)が、大いなるミスキャストだったことだ。反町・十兵衛は隻眼で頑張ってもさっぱり凄みが出ず、速水・又十郎は、柳生の跡継ぎになる大剣豪なのに、9頭身の足長モデルスタイル。にっこり笑うと坊や顔で迫力皆無であった。彼らに陰のある剣豪はムリだよなァ。
   殺陣のシーンが多くて迫力を出そうと涙ぐましい努力の片鱗は見せたが、主役の2人に配した脇役たちが、時代劇大御所連中なので噛み合わせがしっくりこない。幕府大目付の柳生宗矩は高橋英樹、敵役の山田浮月斎は松方弘樹、柳生兵庫介は松平健、春日局は高島礼子という具合だから、脇役ばかりだと堂々たる貫禄なのだった。
   時代劇村のノウハウにのっとった美しいロケ多用の風景や、3巻の柳生武芸帳にまつわる血湧き肉踊る追いつ追われつの爽快な物語や、見所もあったのに、妙に引き込まれなかったのは何故だろうか。主役たちの魅力不足で、共感を呼ばなかったからに尽きる。惜しい。

(黄蘭)

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