ジャーナリズム=新聞なのか 民主主義と新聞社の関係

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テレビウォッチ>「変わる巨大メディア・新聞」と題した今回の放送は、ネット社会になって新聞が売れない、新聞社がヤバいという、某ニュースサイトでも旧聞に属するような内容であった。ニューヨークタイムズがヤバいとか、毎日が記事配信を受けるとか、アイフォーンで産経新聞まるごと読めるようになってetc。

   その一方で、番組を貫く問題意識はけっこう強烈であった。「新聞崩壊」はすなわちジャーナリズム崩壊につながらないかといった危機感が国谷裕子キャスター含めて伝わってきた。クローズアップ現代も一応テレビジャーナリズムのくせに、である。

公的保護が議論に

   で、なんで新聞はネット社会でダメなのか。今でもニュースには一定の需要があり、多くの新聞社がニュースサイトをやっている。紙じゃなくても、そっちに軸足を移せばいいだけでは? しかし、番組によると、そう簡単には行かない。ネットでは無料のニュースサイトがあったりして、競争が激しく、広告単価も安いのでたいして儲からないそうだ。

   たしかにPV自慢の某ニュースでも、人件費、原稿料、経費をケチりにケチって、儲かるどころか、いつ聞いても青息吐息な話ばかりである。そんな清貧ネット生活で、巨大企業な大新聞社のエリートサラリーマン大集団を養うなんてのは、夢のなかの夢物語であろう。

   ところで、新聞崩壊が進む米国は今、どんな状況なのだろうか。番組によれば、地方紙がどんどんつぶれ、地元の不正、汚職に対する監視がなくなってしまった。実際に、プリンストン大学が地元紙の消えた地域を調査すると、新聞がなくなったせいで、投票率が下がるなど政治への関心が低下したことがわかったんだそうだ。

   これがさらに進めば、地方紙がNYなどの大都市に輩出してきた優秀な記者が育たなくなり、人材は枯渇。カネも人も時間もかかる重厚な調査報道は消え、インスタント報道ばかりになり、つまり「ジャーナリズムの死」的な衝撃の未来が待っているらしい。

   米国でも、新聞の公的保護が議論になっているそうだ。それに関して、あるネット新聞主催者は「大事なのはジャーナリズムを守ることで、新聞を救うことではない」と言ったという。さて、もし新聞が死ぬと、ジャーナリズムはどれだけ傷つくのだろうか。新聞関係者が強調するような、民主主義の危機にまで至る最悪のシナリオが待っているのか。実際、なかなか予想の難しいところではある。

ボンド柳生

* NHKクローズアップ現代(2009年1月12日放送)

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