北川景子と素晴らしい演出 見どころだった場面はココ

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「筆談ホステス~母と娘、愛と感動の25年。届け!わたしの心~」(TBS) 2010年1月10日 21時~

   以前、銀座でナンバーワンになった耳の不自由な筆談ホステスが、自伝を出版したニュースを見た記憶がある。斉藤里恵(ドラマでは北川景子)という。幼児の時に髄膜炎を患い、両耳ともに聞こえず、思春期に荒れて高校も中退、ふと知り合った青森のクラブママ(手塚理美)から接客業の才能を引き出されて立ち直ってゆく物語だ。

   いわばお涙頂戴ドラマには違いないのだが、北川の真っ直ぐな演技、母親(田中好子)の好演で嫌味のないドラマに仕上がった。特に、「1番になれ」とハンディある娘に厳しくハッパをかけて育てた教育ママの母と、娘が、断絶の後に、再び心を通い合わせる場面が見所であった。ホステスという職業に偏見を持ち、断絶状態だった母の感情も仕方がないことだと納得できたし、展開も自然だった。

   長い無縁の時を過ごした後で、優しい兄(福士誠治)のはからいで母娘は再会する。娘が筆談で母に詫びと感謝の言葉を書く。母も筆談で答える。煩い劇伴音楽はつかない。里恵の聞こえない耳の静寂のままに進行する。素晴らしい演出だ。田中好子の強張った表情が、時と共に徐々に緩んできて、終いには笑顔になる。あの、「はーるですねえっ」とミニスカートで歌っていた3人娘の1人が、演技派の母親役になるなんて誰が予想し得たか。強いてケチをつければ、周り中が善意の人だらけ。実際にはもっと多くの親族間での確執や世間の中傷もあったはず、甘いといえば甘いのだが。

 (黄蘭)

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