小林繁と江川卓の「初対決」 その舞台裏と「乾杯」の意味

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「追悼 小林繁(おもいっきりDON!)」(日本テレビ) 2010年1月18日 11時55分~

   17日に急逝した元プロ野球投手・小林繁の追悼コーナーがあった。例の【空白の1日】事件で、巨人を追われ阪神に入った小林と、プロ野球評論家・江川卓が、黄桜KKのCM撮影で話している場面がチラッと出てきた。このCMは第61回広告電通賞テレビ部門のトップに選ばれた名作である。この時の裏話を披露したい。
   当作品はテレビ部門のシリーズBというジャンルで最高点を取り、結局、製品別の各部門優秀作品総ての中から選ばれるテレビ広告電通賞に選出された。「出会い、初対決、乾杯」と3つのバージョンがあった。真っ白なバックに背高の椅子が2つ、そこにやってきた小林と、江川が挨拶して話をする、ただそれだけの内容である。
   ところがこのCМが放映された当時、我々は過去にあのように物議を醸した確執があった2人なのに、あまりにも会話が自然なので、てっきり、練りに練った脚本と、2人に対する根回しがされた後に撮影されたのだろうと思っていた。下手するとぶち壊しになるから。
   聞いてびっくり。事前の根回しどころか、当CMは完璧なぶっつけ本番で撮影されたのである。話の進行も何も決めず、ただ2人の28年後の再会を、じっとカメラを回して撮っただけなのであった。恐縮して深々と頭を下げている江川に対し、ダンディで男の色気たっぷりのスリムな小林繁がにこやかに入ってきて、さりげなく、だが、あの話題を避けもせず、大人の会話を続けたのだ。立派だった。合掌。

(黄蘭)

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