予想できても止まらぬドキドキ 三浦春馬の超人技
<ブラッディ・マンデイ~シーズン2~>初回から息もつかせぬハイテンション! あのファルコン・高木藤丸(三浦春馬)と最凶の女・折原マヤ(吉瀬美智子)が帰ってきた!
今度は核爆弾
一昨(2008)年の秋、前作が放送された時には、手に汗握って見ていた。この時の兵器は殺人ウィルスだったが、今度はズバリ核爆弾。それを、始まったばかりの第1回で、東京上空で「すわ、炸裂か!」というのだから、スタッフのやる気が伝わってくる。いつもながら、この時間枠はTBSも力が入ってるねー。
原作は連載中のコミックだが、ドラマ版のストーリーはまた、それとは違うらしい。とにかく悪の組織は情け容赦がない。マヤは薄笑いしながら監禁したロシア男の口に銃口を突っ込んで撃ち殺すし、藤丸の親友・朝田あおい(藤井美菜)は手を吊られたまま無残になぶり殺しにされる。
人間や世の中の暗い面をことさらに拡大して、人を暗い気持ちにさせるのはあまり好きではないが、ここまでくると遊園地のお化け屋敷と同じで楽しめる。おまけに展開はジェットコースターだ。最後には藤丸の超人的なハッキング能力で核爆発が回避されることはわかっていても、ハラハラドキドキは止まらない。
ロシアの実情と日本の過去
登場人物も、誰が味方で誰が敵なのかわからない。警察内部や親友もみんな、疑えばきりがない。怪しいと思った人間が実は味方の捜査官だったり、親友仲間だと思っていたかわいい女の子が実は悪の大物だったり。
ウィルスや核爆弾の供給元はロシアになっている。ロシアの実情はよく知らないから、ひょっとして兵器の流出もあり得るかも知れないと、つい思ってしまうところが怖い。あのオウム真理教事件もロシアと関係があったし……。
作者もオウム事件を意識しているふしがある。組織の目的は「汚れきった」日本を「浄化」し、「再起動」させることらしい。オウムの日本「シャンバラ化計画」を思い出す。うわっ、やだ、こんな言葉、覚えてる!
待てよ、お化け屋敷遊びだとしか思えないことが、15年前にはこの日本に本当にあったのだ。どうしよう、怖くなってきたよー。
カモノ・ハシ