犯罪被害者の死刑への賛否 それぞれの思いと「日本人の変質」

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「FNSドキュメンタリー大賞 罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父」(フジテレビ) 2010年1月24日 16時~

   2009年のドキュメンタリー大賞受賞作品。死刑について考えている。名古屋の闇サイト殺人事件で、母1人子1人のかけがえのないわが娘を殺された母は、犯人たちの死刑を願って30万人もの署名を集めた。20年以上前に保険金殺人で弟を殺された兄は、死刑囚と面会をしたり謝罪の手紙をもらったりしている内に、次第に死刑の意味を考えるようになり、今では死刑制度反対の運動まで立ち上げている。リンチ殺人でわが息子を殺された父は、死刑しか望まない。
   世界的に見て死刑制度が残っている国は少数派になりつつある。だが、これらの遺族の悲嘆をみると、素朴に犯人たちを「八つ裂きにしてやりたい」とも思う。特に闇サイト犯人の、人ごとのようにシラーッとした態度を知ると、日本人の変質というか、理解を超えたサイボーグのように感情の欠落した若者が発生していると考え込まざるを得ない。光市母子殺人事件の犯人も然り、一連の無差別通り魔事件の犯人も然り。添加物まみれの食生活、教育、過多のサイバー情報、などなど、生物としての人間の脳を含めた肉体に何らかの悪影響をもたらす要素が蔓延した結果なのかもと、又、考え込む。
   立派なドキュメントではあるが、再現シーンの死刑台映像はちょっとやり過ぎである。死刑が如何に非人間的かと言いたいのだろうが、何度も何度も絞首のための綱の輪を見せる必要はない。作り手が意図するのは死刑廃止の遠謀か、と誤解したくなったのだ。

(黄蘭)

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