菊川怜が演じた主婦 今時の若妻らしくない理由

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「金曜プレステージ 山峡の章」(フジテレビ) 2010年1月29日 21時~

   松本清張おとくいの情死が実は殺人だったという話だ。平凡な専業主婦の昌子(菊川怜)は、関西に出張と言い置いて出かけた外務官僚の夫・堀沢英夫(平岳大)が、こともあろうに自分の妹(星野真里)と長野県の湖で心中したと知り、その真相を調べ始める。
   結論から言えば、信頼していた夫の上司と同僚に情死に見せかけて殺されるのである。風景は美しいし、岡田義徳や勝村政信など実力派の脇役揃いで、フジテレビ、力瘤を入れて作ったなとは思う。だが、決定的な欠陥があるドラマなのだ。女の描き方がヘンテコ。
   清張自身の九州男子らしい性癖ゆえか、原作が書かれた時代の影響なのか、昌子の描き方に納得がいかないと筆者の助手(男)も指摘している。妻は夫の様子がおかしくても外泊しても問い詰めないし、変な時間の携帯電話にも黙っている。たった1度だけ本心をぶつけたら、夫は関西から帰ったら言うといったまま死んでしまう。そのくせ死んでから他殺かもと自分で調べだす。逆じゃないのか、このバカ女。張本人の上司に辿りついても疑わない間抜けぶりだ。
   今時の若妻なら(時代は携帯を使っているから現代に移行されている)、あれほど何も妻に説明せず、秘密めいていれば、事前に夫を詰問するし、それでも答えないなら留守の間にとっとと実家に帰るか、家を出る。江戸時代ではないのである。現代の日本に、貞淑だけが人生だみたいなこんな専業主婦は死滅していないのだ!!

(黄蘭)

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