「おくりびと」いないひと 孤独な日本と死の現実

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<テレビウォッチ>NHKスペシャル「無縁社会 『無縁死』3万2千人の衝撃」。孤独に死亡していき遺体の引き取り手もいない「無縁死」が増えているという話だった。

3万2000人も

   番組によるとこうした人が年間3万2000人もいるという。周辺を調べても最後まで身元が分からない人も1000人いて、「行旅死亡人」と呼ばれるそうだ。特殊清掃会社というのがあって、こうした人たちの死後の部屋の後片付けをする。お骨を陶器1個におさめて無縁仏を供養するお寺へ送りもする。寂しい話だと感じた。今の人間関係の冷たさを象徴している。

   終戦直後の話になるが、当時、戦地からの引き揚げ者情報をNHKラジオが流していた。家族や親戚、知人に再会したい、と強く望む人たちが、こういう人を捜してます、という情報を流すのだ。淡々とデータを読むだけなのだが、会いたい、という情熱が伝わってきて聞いてる方も胸を打たれたものだ。

   今の人間関係は、こうした時代とは違う方向に進んでしまっている。死後の調査で親戚が見つかっても、名字が違うから自分たちの墓にはその人を入れられない、などという人もいる。人と人の結びつきがどんどん希薄になっていると改めて実感した。

NPOにすがる人

   会社中心で生きてきた男性が定年退職後に妻や子供たちから捨てられて孤独な晩年を迎える人も多い。生涯未婚の人も少なくない。血縁も地域との結びつきも極めて弱い。死後の面倒をみてくれるというNPOには4000人もの会員が集まっているそうだ。不安を抱えている人がそれだけいるということだ。

   死後10日経って発見された人の例も取り上げられた。家族、親戚、地域、友人、人と人との結びつきをもう1度見つめ直す必要があると思わされた。寂しい話ではあったが、番組のつくりとしては良く出来ていた。実際、視聴者にも強い印象を与えたようで、放送直後からインターネットでも多くの人がこの番組を話題にしていたようだ。

      NPOが 家族にかわり おくりびと

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