「これから楽しみ」香川照之 しかし懸念材料あり

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「香川照之という俳優について」(各局) 2009年~2010年初頭

   結論から言うと、香川照之はこのところ出過ぎである。出過ぎはやがて才能の枯渇をもたらす。だから、心配だ。ちょっと思い出すだけでも、テレビは暮れの「坂の上の雲」から始まって「龍馬伝」、「Wの悲劇」に重要な役で出ており、日本映画でも「ゴールデンスランバー」が封切られたばかり。仏の顔も3度にならねばいいが。
   25年以上前、ワイドショーで浜木綿子が、「そりゃ嬉しいわよ」と言いながらカメラに追いかけられていた。まだ一般人だった息子が東大に現役で合格した時の、発表を見に行く母親の姿だった。もう1つは、照之が市川猿之助の楽屋に親子の名乗りをして会いに行った時、父親に冷たくあしらわれたニュースである。この2つの挿話は、俳優・香川照之を論じる場合に必須の要件である。
   つまり、俳優にも知性が武器の1つであること。有名俳優を両親にもったが故のプラスとは別に、憧憬をもって遠くから見ていたビッグな父親との抜き難い距離感が、彼の演技に陰影をもたらす結果を生んでいるということ。DNAでは明るいだけの2世にはない、どこか淋しげな風情と、上目遣いで恨みがましい表情を見せる演技の迫真ぶりに、彼の素が出てくる。いいポストにいるのである。
   美男でもなくスタイルも平凡、だが、脇役では決してない。歳も40代半ばの人生の華の季節。これから益々楽しみな俳優であるが、凡作には出過ぎないでもらいたい。斬新な主演俳優になっておくれ。

(黄蘭)

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