2024年 4月 24日 (水)

ファン以外は予習が必要? パラレルワールドの快感(劇場版 涼宮ハルヒの消失)

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劇場版 涼宮ハルヒの消失>谷川流原作、大人気ライトノベル『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズの第4巻『涼宮ハルヒの消失』の劇場版。重厚かつ感動的なストーリーで多くのファンがいる『消失』はシリーズ中、今も燦然と輝くものとなっている。

キョンの周囲が一変

   これまでは高校の入学初日に主人公のキョンが涼宮ハルヒという少女に出会い、宇宙人や未来人、さらに超能力者など変わった連中が2人を取り巻き、様々な騒動を引き起こすというもの。だが今回はこれまで過ごしてきた、普通ではないが刺激的だったキョンの日常がハルヒもろとも「消失」してしまう。ハチャメチャで面倒なことばかりに引きずり出されてきた彼だったがハルヒを失って初めてその大切さに気づくのだった。

   キョンは今までと違う世界、パラレルワールドに連れて行かれるという設定でそれに気づくまでの道のりがドラマチックに描かれる。そのためハルヒの登場は少なく、代わりに無口な長門有希がヒロインとなってキョンに接近する。前半の部分でキョンの周りの世界が一変してしまったとき、精神がおかしくなりそうになった彼が救いをもとめたのが長門だった。

   いままで無愛想だった長門がパラレルワールドに入ってから、か弱い文学少女に一変してビックリ、長門ファンにはたまらないストーリーだろう。また消えたはずの嫌味な優等生、朝倉涼子がハルヒの代わりに復活し、イラッとさせる人物像とかつての「殺人鬼」ぶりも味わえる。

   しかし、残念なところは原作に忠実すぎるため謎にまだ続きがあり「終わった」と思わせるカタルシスに欠けるところ。映画は内輪のファンだけのために作るのではなく、誰でも楽しめることが新たなファンを獲得することに繋がるのではないのか。作り手の長門に向ける愛情がひしひしと感じられる良いストーリーではあるのだが、わざわざ劇場作品にする必要があったのか、TVアニメでよかったのではないか。

   この映画はTVアニメ版を見るか、または原作小説3巻までを読んでいないと解りづらいので予習が必要。

ユウ・ミサト

   オススメ度:☆☆


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日本ジャーナリスト専門学校
通称ジャナ専。東京都豊島区高田にあるマスコミの専門学校。1974年の開校以来、マスコミ各界へ多くの人材を供給し続けている。

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