福山雅治の龍馬役 ズバリ出来は成功か

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「龍馬伝 第1回~第7回」(NHK) 2010年1月~2月

   福山雅治・龍馬は成功である。下級武士たる郷士の出ではあるが、姉やんたちに可愛がられた彼の生い立ちを考えると、もっと粗野な男であるはずという批判よりも、ひょっとしてこのような優しい男だったのかもと思いたくなる。少なくとも茫洋感はぴったりである。
   龍馬、岩崎弥太郎(香川照之)、武市半平太(大森南朋)の若者3者を付かず離れずで描いているのもいいアイデアで、幕末に至る複雑な世情を、個人を通して書くことによって仕分け(!)がしやすく見ているほうも解り易い。ただし、第1回で、弥太郎がパーティーで演説する場面の酷い土佐弁は違和感があった。何故なら、功成り名遂げた経済界の大物が、上京して何年も経つのにイントネーションはともかく方言丸出しで公的な挨拶をするはずがないからだ。
   ライトの光量を抑え、俯瞰を多用したカメラ、女優たちの素顔に近いメーク、龍馬と弥太郎の泥合戦、弥太郎の歯の汚れ、木綿の着物、いずれも徹底したリアリズム調で、絵葉書時代劇とは一線を劃す素晴らしさである。黒船のCGも奇異ではなかった。
   人斬りと呼ばれた岡田以蔵(佐藤健)の鋭い目つき、子役の福山雅治そっくりぶり、後の四賢侯の1人・山内容堂=豊信(近藤正臣)の豪奢な名君らしさ、凛々しい女剣士・千葉佐那(貫地谷しほり)の可憐、それぞれが印象深い。最大の功績が脚本(福田靖)の出来とビビッドな演出(大友啓史ほか)であるのは論をまたない。

(黄蘭)

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