「現場のマスコミが逮捕せよ」に異論 「もちは餅屋」では?

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   今週の週刊誌はおもしろい! 仕事を放りっぱなしで読みふけったが、なかでも文春とフラッシュが秀逸。

   「警視庁捜査一課長ニシさんとの『公舎不倫』6年」「沢尻エリカ鮮烈ボディを独占公開」「鳩山首相は日教組 自治労 パチンコ業界の『使用人』だ 元内閣参事官高橋洋一」「竹内久美子の新説『草食』『肉食』は薬指で決まる」の文春ラインナップはすごい!

フラッシュの「衝撃スクープ撮!」

   新潮の「『学習院』と『雅子さま』の冷たい戦争」「『小沢一郎への遺言』だった『越山会の女王』佐藤昭子さんの絶筆」なども読み応えがある。

   フライデーの「スザンヌ&ソフトバンク斉藤和巳『車中キス&お泊まり愛』」はファンならずとも一読の価値あり。

   だが、なんといっても今週最大の話題は、フラッシュの「衝撃スクープ撮! のりピー夫高相祐一シャブ購入現場!」だ。新潮と文春も後追い記事をやっているほど、この記事の衝撃は強力だった。

   写真が鮮明で、売人らしき男が覚せい剤を高相に見せて交渉している場面が、映画の一場面のようにハッキリ写っているのだ。ほんとうに隠し撮り写真なの? といいたくもなるほどのクオリティの高さである。

   編集部は、売人らしき男にインタビューもし、高相側にも取材を申し入れているが、否定されているのに、タイトルは「シャブ購入現場だ」と断定している。これは推測するに、売人ルートからの何らかのタレコミがあって、編集部は半信半疑ながら張り込んでいたら、この2人が現れ、ドキドキしながらシャッターを押したのだろう。

   私が現場いた頃も、ときどきこうした情報が電話や手紙などで入ってきたことがある。その情報が正しいのか、単なる悪戯なのかは、編集者の勘である。電話なら、相手の口調や内容で、だいたい見当がつく。それでも、実際に記事にできる確率は半分もいかないだろう。

   編集部には、よくやったという声とともに、なぜ、覚せい剤の取引だと知っていたのに、警察に通報するなり、現場で2人を捕まえなかったのかという「世の良識派」からの批判もあると聞いている。

   私からいわせれば、そのような感覚を持つ人は、決してこのような仕事を選ばないことだ。イエロージャーナリズムといわれようと、首輪のない猟犬たちは、ひとつのスクープや1枚の写真を取るのに命をかける。そうして取った情報を、相手にぶつけ、状況証拠や追加取材で検証し、世に問うのだ。捕まえるのは警察に任せておけばいい。

   芸能人の覚せい剤の再犯率は5割を超えるといわれる。覚せい剤という悪魔から手を切ることの難しさを、この写真は、われわれに強烈に訴えかけている。

文春の草食男子判定法

   文春の「警視庁捜査一課長西澤康雄氏(55)の不倫」も、警視庁にとってはインパクトのある記事爆弾だった。このニシさんと6年間にわたり愛人関係にあった元警視庁の女性刑事(42)が告白しているのだが、このニシさん、ノンキャリながら捜査一課長まで上り詰めた切れ者で、昨2009年の12月30日には、00年に起きた未解決事件・世田谷一家殺害事件の捜査協力を求める陣頭指揮にも立っていた。

   これが掲載されることを察知したのだろう、早速、臭いものには蓋。警視庁は、発売前の3月15日付で、「不適切な行動で一課長を継続させることができなくなった」として、ニシさんを更迭してしまった。事件の現場指揮に当たる幹部が任期途中で更迭されるのは異例だと、各メディアは報じている。

   「寂しき越山会の女王」佐藤昭子さんの死後、病院に小沢一郎幹事長が駆けつけて涙したという記事は、私たちの世代には見逃せない記事だ。

   学習院と雅子さま「冷たい戦争」のなかで、愛子さんの不登校の原因になったと指摘された「乱暴少年」はどうなったのか。

   「Aくんの両親は、『すぐに息子を転校させたい』と申し出たそうです」(新潮・皇室ジャーナリスト松崎敏弥氏)が、学習院側は、退学の申し出を認めなかったそうだ。これが大人のやり方だろう。

   ちょっと趣向の変わった記事は、文春の「竹内久美子の新説」である。これは彼女の新刊「草食男子0.95の壁」(文藝春秋)の紹介記事だが、右手の人差し指と薬指の長さの比率で、草食系か肉食系かがわかるというもの。

   「右の付け根の皺(薬指は2本あるが、手のひらに近い方)の左右中央から指先までの長さを測る。そして人差し指の長さを薬指の長さで割る(これを指比という)。日本人の平均は約0.95なので、値が0.95より小さければ肉食系、大きければ草食系と判断することができる」。要するに、相対的に薬指が長ければ長いほど、正しいオスなのだそうだ。

   有名人のランキングでは、中村勘三郎が0.89で超肉食系。これは石田純一と同じなのだ。ちなみに私は、いや、やめておこう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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