赤ちゃん黙らせ大もうけ TV見ながら「ひらめいた!」
<テレビウォッチ> テレビを見ていて、「はてな?」と思ったCMがある。
新米ママとパパのための育児雑誌のCMで、泣いているあかちゃんに海苔の缶を見せるとピタっと泣きやみ笑顔になるというもの。
キャナリーゼの生態
いったいぜんたいどうやって撮影したんだろう。コントのように泣きやむ赤ちゃん。あのカットが撮影されるまでにどれほどの時間がかかったのかと思うと、スタッフの苦労がうかがえる。
とはいえ、赤ちゃんとは全く縁がない三十路女。単純に「へぇ~、そんな不思議なコトあるのね~」と思ってぼんやり見ていた。赤ちゃんが泣きやむ瞬間を収めた動画投稿を受け付けてコンテストまでやっているらしいが、そんなに赤ちゃんって泣きやみポイントがあるの? と、頭をひねってしまった。
たまたまとある番組で今の幼児たちの間で人気になっているものを調査中なので、気になって調べてみた。
ちなみに小学生になると、テレビ視聴時間や時間の使い方やお小遣いなど、数も多くある程度データがすいすい出てくるのだが、乳幼児となるとなかなか……この年齢は親のほうがターゲットとなり、新米パパママのライフスタイルや動向を扱ったものは数多い。
なんでも豊洲など運河(キャナル)付近に住む若い主婦たちは、キャナリーゼと言うんだとか。ちょっと背伸びしたら届く価格帯のインポートキッチン用品や雑貨をこよなく愛し、あまり目立たずに、しかしブログで手作りパンやスイーツ情報などをアップしてちょこっと人と差別化を図ることに励む、気分は女子高感覚の女性達のことらしい。
ネーミングも微妙な感じのキャナリーゼ、一時期話題になったシロガネーゼほどの特徴もなく全国的にブームになるかはなはだは怪しい。それにどうでもいいし。と、結婚の予定もない私は強がってみる。ふんっだ!! と鼻息荒く。
泣きやみのポイント
さて、泣きやみポイントについて話を戻そう。育児中の方にはお馴染みのアイテムなのだろうが、あのCMの海苔缶的存在のモノが本当にあるらしい。
「けろっとスイッチ」。2006年の発売初年度に50万個が売れ、その後も安定した売れ行きでついには海外にも発売されている。泣いている赤ちゃんにけろっとスイッチに内蔵された音声を聞かせると、魔法にかかったようにけろっと泣きやむという。
動画でもかなり紹介されており、けろっと泣きやむ赤ちゃんが笑いを誘う。さて、この商品を開発したのは育休を挟んで参加した女性社員だという。しかし、彼女がなぜこの商品を作ろうと思ったのかを知って驚愕した。
なんと、「探偵!ナイトスクープ」がキッカケだというではないか。依頼内容は、タケモトピアノのCMを見ると泣きやむ赤ちゃんの秘密を探れというもの。
開発した女性はこの番組を見て、ピンっと思い付いたのだという。いやはやこれには驚いた。放送されたのはもう何年も前だったと思うが、あの爆笑VTRを見て商品開発がされるとは……そして、いくらテレビで実験をやっていたとはいえ、上司に説得して専門機関を巻き込んで研究までして商品化にこぎづけたその熱意に頭が下がる。
私もキャリナーゼに腹を立てていないで、少しはそこからアイディアを広げないとイカン! と、データ集積中に反省、反省、また反省。
モジョっこ