地下鉄サリン事件ドラマ その出来映えと「終わらない」現実

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「地下鉄サリン事件から15年・・・」(フジテレビ) 2010年3月20日 21時~

   1995年3月20日の朝、筆者の家でも異変があった。自宅マンションの和室をなくしてリビングを拡大する模様替えの工事中、分譲会社の下請けの職人、スキンヘッドのカッコいい熟練の大工が、正確に来ていた8時半を過ぎても現われない。遅れて到着した彼が言うには、中野坂上駅前の山手通りで通行止めに遭ったとか。慌ててテレビをつけたら、築地駅前に消防車が大挙して留っている定点観測映像になっていた。その後は述べるまでもない大騒動であった。
   歴史に残る、化学兵器が大都会に撒かれた未曾有のテロ事件についてのドキュドラマで、地下鉄霞ヶ関駅員として、サリンの袋を素手で片付けたために殉職した高橋一正(羽場裕一)と妻シズエ(原田美枝子)の苦闘を中心のドラマ部分と、語り始めた被害者のドキュメント部分がうまく混じって描かれている。
   警察当局や受け入れ病院がよほど混乱していたのか、殉職職員の妻を呼び出しながら5時間も待たせたとか、厖大な数の被害者たちが、救済と言えないほどの状態で放置されてきたこととか、知らない事が多々あった。一方で、事件そのものが風化しかかっている事実、こういう時期に力作を放映したフジテレビの努力と先見性に敬意を表する。フジはバラエティばかりじゃないぞと主張しているみたいだった。報道(?)のTBSは見習うべきだろう。それにしても逃亡犯といいアレフの存在といい何故オウムを根絶できないのか。

(黄蘭)

採点:1.5
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