2024年 4月 21日 (日)

「女性スキャンダル」中井大臣へ 新潮が放った「二の矢」

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   現代が好調だと、業界で話題になっている。このところ毎年20億近い赤字を出していたが、先日、副編集長の某氏に聞いてみると、今年は単年度で黒字化もあるかもしれないといい、新潮の背中が見えてきたと、珍しく威勢がよかった。

   好調の理由は簡単である。前の2人の編集長が、表紙やロゴを変え、女性や若い層を取り込もうと「改悪」したのを、元に戻したから、50代と団塊世代が戻ってきたのだ。それが証拠に、このところの現代には「熟年のセックス」「熟年のSEX 体位編」「夫に早く死んでほしい妻たち」「田園調布の真実」といった熟年向けの大特集が毎号載っている。

長官狙撃「本当の時効」

   現代に比べて、ポストの凋落ぶりは、往時を知るものとしては残念でならない。ページ数でも、今号では50ページ以上の差がある。たしかに現代400円、ポストは350円だから、厚さは仕方ないとしても、内容にも生彩がない。奮起せよポスト。

   今週の主な話題は3つ。国松警察庁長官銃撃事件の時効、中国ギョーザ事件の犯人逮捕、先週新潮がスクープした中井洽国家公安委員長の女性問題である。

   鳩山政権への批判記事は数多あるが、気に入ったタイトルだけをあげておく。「鳩山首相ほんにお前は屁のような」(文春)、「民主党の小さすぎる『ケツの穴』」(朝日)。

   国松長官の銃撃犯を挙げられなかった警視庁は、悔しさからか記者会見で「オウム真理教の組織的犯行」と断定して、恥の上塗りだとの批判が相次いでいる。

   現代は、TBSの元報道記者竹内明氏のドキュメント「時効捜査」を連載し、最終回では、犯人像をこう結論づけている。

「慰留弾頭が語る犯人像は、『(オウム信者の)K元巡査部長が実行犯』という特捜部の筋書きとはまったく違う、プロのスナイパーを連想させる」

   新潮では、鹿島圭介氏を起用して、犯人は2002年11月に名古屋市内のUFJ銀行の現金輸送車を襲撃し、愛知県警に逮捕され、現在は岐阜刑務所にいる中村泰服役囚(80歳)だとしている。この人物、07年の秋に「私が長官を撃ちました」と捜査員に話しているというのだ。

   しかし、オウムの犯行に固執する公安部のセクショナリズムのため、闇に葬られてしまっている。だが、この人物の犯行だとしたら、国外へ行っていた時期が300日あるというから、まだ時間は残されていると、鹿島氏は書いている。さて、どうする警視庁。

中国毒ギョーザ「解決」のウラ

   中国毒入りギョ-ザ事件については、文春、新潮ともに「結末は予告されていた」「犯人は哀れなスケープゴート」という見方で一致している。

   逮捕の決め手となったのは、犯人が農薬メタミドホスの入った注射器を、工場通路脇の下水道に捨てたと証言し、捜索したら、2年もたっていたのに農薬が入ったまま見つかったという「物証」だけだ。

「メタミドホスは水溶性が高いですから、注射器に残留しているなんてことも考えられませんよ」(中京学院大学の久野輝夫助教・新潮)

   おまけに中国公安は、極貧両親の居所までマスコミにリークしたのだという。しかし両誌ともに、中国側の突然の発表の意図が奈辺にあるのか、図りかねている。「上海万博が近い」「首脳会談に向けた地ならし」などの見方もあるが、真意はわからない。新潮は、鳩山首相を万博に招き、その足で南京大虐殺記念館に招待するのが狙いだと書いているが、そこまでは読み過ぎだろう。

   先週の新潮のスクープで、中井国家公安委員長は、記者会見や国会で責め立てられたが、「彼女は部屋の掃除を頼む女性」で「何か問題あるんですか」と開き直り、居座ってしまうつもりのようだ。

   ならばと、新潮がこれでもかと二の矢を放った。グラビアでは、かの銀座ホステスが赤坂議員宿舎に入るとき、「手馴れた様子でカードキーをセンサーにかざし」ている姿がハッキリ写っている。

交際女性の父にアタック

   その上で、問題点を3つに絞っている。(1)部外者である女性に、宿舎のカードキーを貸与していること。(2)国民の安全を司る立場にあり、常に居所を明らかにしているべき大臣がSPを外して飲み歩いていること。(中略)、(3)銀座から赤坂まで、違法な「白タク」である可能性が高い車に乗車したこと。

   そもそも、これだけ頻繁にデートを重ねている女性を「掃除婦」扱いするとはけしからんと、「月光仮面」新潮は、彼女の実父のところへ出向くのだ。

   実父は、中井と娘が付き合っているとは知らなかったようで、涙を浮かべ、搾り出すようにこう語るのだ。

「中井大臣が娘と6年もお付き合いしているっていうのなら、普通は両親にも挨拶に来るべきでしょう。(中略)大臣がきちんと責任を取らないと、娘にも迷惑がかかる」

   チリ沖地震が起き、対応策を打ち合わせる会議が首相公邸で、8時半から開かれていた2月28日も、中井大臣が姿を現したのは昼からで、理由は「宿舎で待機していた」というまか不思議なものだったことも、国会で明らかになった。

   なぜこうした「大臣不適格者」を切ることができないのか。「今の鳩山内閣には、内閣の危機管理をする人が誰もいないのです。鳩山内閣は国家マネジメントの体をなしていない。中井さんをこのまま大臣に据えておくなんて、本当にみっともないと思います」(「みんなの党」渡辺喜美代表・新潮)

   一見、人の良さそうだがリーダーシップの欠片もない民主自民2人の党首討論を聞いていると、この国は右も左も真っ暗闇じゃござんせんかといいたくもなる。だが、いっそのこと、小沢一郎に総理をやらしたらいいという、自暴自棄な声が出てくるのを、私はもっと怖れる。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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