ITで北朝鮮を裸にせよ その命がけの挑戦とは

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<テレビウォッチ>昨2009年、北朝鮮が行ったデノミをいちはやく報じたのは、韓国政府でもマスメディアでもCIAでもなく、脱北者の団体であった。その団体「NK知識人連帯」は、ITを利用したネットワークを駆使して、北朝鮮から独自の極秘情報を引き出していて、世界中のマスコミや米政府の羨望の的となっているという。

   今回の放送タイトルは「脱北者VS北朝鮮 情報戦の舞台裏」とやや勇ましげ。出でましたるはジェームズ・ボンドか、イーサン・ハントかといったところだが、はじめて取材を許されたという情報収集の現場は、映像的には地味であった。

協力者と電話で

   ソウル某所の情報センター。限られたショットで見たところでは、ビルの一室のような感じで、防音用だという、いかついドアノブがついた分厚い扉が目を引く。秘密の会話をするには良さそうなところである。そこでNKのメンバーが、北朝鮮内の協力者と電話で連絡を取り合う。

   番組によれば、仕組みはこうだ。北朝鮮の中朝国境付近にいる協力者にケータイを渡す。彼らは最寄りの中国国内にある巨大な電波塔を使って、ソウルに電話をかけてくるのだ。ケータイ電波の届かない遠方とは北朝鮮国内の固定電話を使い、固定電話の受話器をケータイと合体させて、中継する。

   電話機はスマートフォン的なものらしく、音声だけではなく、文字や画像も送れる。そのおかげで北朝鮮の新紙幣の画像もいちはやく入手できたという。「北朝鮮は閉ざされた鉄の城壁でした。しかし、ITの発達がその風穴を開けたのです」(NK代表)。

   もっとも、北朝鮮当局も穴をふさごうと躍起だ。「逆賊集団は世界のどこにも生きる場所はない。われわれはあらゆる手段で対処する」(朝鮮中央テレビ)と、いつものおどしめいた台詞を吐く。NKのメンバーも安穏に暮らしていられないらしいが、協力者のほうは命がけである。逮捕され、ケータイを押収されたケースもあるという。北朝鮮の法律では、韓国と電話で話すことはスパイ罪にあたり、見つかれば最悪生命の危険が待っているそうだ。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2010年3月30日放送)

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