2024年 4月 18日 (木)

毒ぶどう酒事件「差し戻し」 鳥越「時間かかり過ぎる」

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<テレビウォッチ>「最高裁の決定は、再審への一条の光を指し示したと言えるじゃないですかね……」

再審なるか

   ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した『名張毒ぶどう酒事件』。ジャーナリストの鳥越がこう口火を切って、最高裁が名古屋高裁に差し戻す決定をした裁判を取り上げた。

   7次にわたって再審請求が行われいずれも退けられたが、この7次目の名古屋高裁の審理について今回、最高裁が「毒物の解明について、審理が尽くされていない」と、改めて再審を認めるべきかどうかの判断を名古屋高裁に差し戻したのだ。

   35歳で逮捕され1度は自白したものの、起訴前日に自白を翻し、以後一貫して無実を主張してきた奥西勝死刑囚。今2010年1月で84歳になった。

   あとは時間との戦いだが、スタジオでは「最高裁がそこまで判断したなら『再審』決定してもよかった」の声も……

   今回の最高裁が下した決定のポイントは、7次目の再審請求で弁護側から出された『新証拠』。

「最高裁自らが…」

   経緯はこうだ。事件当時、現場で使われた毒物として奥西死刑囚が持っていた農薬『ニッカリンT』が犯行に使われたとされた。しかし当時、製造されていた奥西死刑囚の持っていた『ニッカリンT 』と同じメーカーの製品を弁護団側がさがし再鑑定してところ、ブドウ酒に混入していた毒物の成分にない特定成分が含まれていて、水などには分解しないことが分かった。

   つまり『凶器』が違う可能性が高まったのだ。7次目の再審請求の際に、この『新証拠』を受けて名古屋高裁は一旦、再審決定と死刑の執行停止を決定したのだが、同高裁の別の裁判官が検察側の異議申し立てを認め、ズサンな審理で再審開始を取り消してしまった。

   鳥越は「最高裁がここまで言うなら最高裁自ら判断して再審をやることもできた。名古屋高裁でどういう判断が出るか分からないが、どちらの判断が出ても、弁護側が改めて特別抗告をやり、また最高裁に戻ってくる。それが何時になるか分からないが、時間がかかり過ぎる」と。

   足利事件で冤罪が確定した菅家利和さんは「私は無期懲役だったが、無期懲役でも辛かった。奥西さんは死刑ですよ」と。死を待つことの耐えがたさは言語に絶するだろう。それが冤罪だったらなおさらだ。

文   モンブラン
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