「税金もう十分払ってる」運動 台風の目となるか

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<テレビウォッチ>自ら「ティー・パーティー」(茶会)と呼ぶという。「反オバマ」を標榜する政治集団のことである。大統領は昨2009年来、景気対策に70兆円、医療保険改革に85兆円と、巨額の財政出動をしてきた。このような政策は後世に借金を残し、国の将来を誤ると、彼らは真っ向から異議を唱えるのだ。

米中間選挙向けキャンペーン

   番組によると「ティー・パーティー」の由来は1773年の「ボストン・ティー・パーティー事件」。植民地時代のアメリカが、宗主国イギリスの一方的な課税は許せないと反乱をおこし、市民たちは茶箱を海に投げ捨てた。現在は「TAXED ENOUGH ALREADY(もう税金は十分だ)」の頭文字を連ねて「TEA」と称しているらしい。参加団体は全国各地で1600以上に及び、無党派層を巻き込んで増殖中といわれる。

   メンバーの特徴について説明するのはコロンビア大学のエドサル教授だ。「中間層中心で、お年寄り、個人事業者が多い。白人が多いのも特徴だ。医療保険改革で、政府から医療保険を貰っている65才以上の人たちは、自分たちの保険が貧しい人たちに奪われるのではないかという危機感で立ち上がった。一方、銀行救済策では、政府が経営者を助け、ダメな銀行を破たんさせなかったことに憤っている……アメリカでは、どんなに苦しくても自分の力で人生を切り開くべきであり、政府は介入すべきでないという考え方が根強くある」。

   彼らの活動は、無視できない政治のうねりを生み出しているようだ。ことし10年春に行われたマサチューセッツ州の上院補欠選挙では、当初、民主党候補の優勢が伝えられたが、他の州から「ティー・パーティー」が大挙、乗り込んで草の根運動を繰り広げ、共和党候補を逆転勝利させた。また、秋の中間選挙に向けては、42人の民主党議員を「自由の敵」と名指しし、落選させるためのキャンペーンを展開中だという。

共和党へのマイナス面とは

   団体の代表は「中間選挙では、民主党が下院で過半数を失い、上院でも苦戦するだろう。そして間違いなくオバマ大統領は再選されないでしょう」とまで言った。

   「ティー・パーティー」の取材を続けてきた記者は、彼らの狙いが、反オバマ機運を高めて共和党を勝利に導き、共和党自身を小さな政府を目ざす、より保守的な政党に変えて行くことだとし、「支出を抑え、税金を下げるような共和党候補を当選させることだ」と話す。「共和党の純化」を目ざしているといえるだろう。

   エドサル教授は「ティー・パーティーが共和党にとってマイナス面もある」として、「何でもかんでも反対を叫ぶだけでは、独自の政策を持たない政党だと見られかねない。国民はアメリカが抱える問題への解決策を求めている。反対を叫ぶだけでは選挙で支持を集められない可能性がある」と述べる。

   最後に国谷裕子キャスターが「オバマ大統領は何をすべきか」と尋ねると、教授は「カギは景気の回復だ。失業率を確実に下げる努力を見せることが何よりも必要だ」と答えた。

   政治的状況がアメリカは熱過ぎて、日本が寒過ぎるのか。大統領と首相の差だろうか、それとも国柄の違いなのか。

アレマ

*NHKクローズアップ現代(2010年4月15日放送)
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